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書評ブログの【笑える本を読もう!】

書評ブログの【笑える本を読もう!】


作品名: 何を根拠に
作家名: ナンシー関
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆★★★★
ナンシー関その他のエッセイ
【書評・あらすじ】
 ナンシー関ブームが定期的に訪れる。思い出したかのように一冊読んだら立て続けに何冊か読みたくなる。
 そしてブームが去るとぱったりよまなくなるんだけど、またそのうち思い出したように読みたくなる。
 このごろ毎回ナンシー関のコラムを紹介するたびに「オール6」と評してきたけど、これはつまり、笑える本的「楽」なコラムであることを意味している。
 どの本をどのタイミングで手にとっても、一定の笑いという快楽が得られる。そういう安心感を求めて、思い出したかのようにナンシーブームが訪れるのだ。

 さて、今回紹介する『何を根拠に』だけど、読んでいる最中、これはいつものナンシー関とは違うな、と感じていた記憶がある。記憶があるといいつつ、読んだのはすごく最近なんだけど、こまったことに中身はほとんどすっかり忘れている。
 それで今回は「オール6」ではないなと思っていたはずなんだけど、果たしてそれが、いい意味なのか悪い意味なのか思い出せないでいる。そして確認のため中身を読み返してみるのだけど、わりといつもどおりのナンシー関のコラムでさらに謎は深まるばかり。
 そんなわけで採点はとりあえずのオール6としておく。

 この本は1990年ごろから92年ごろまでに、『SFアドヴェンチャー』の「でたとこ映画」、『Hot-Dog PRESS』の「メディアジャンキー」として連載していたコラムをまとめたものだそうだ。
 「でたとこ映画」に関してはいつものTV評とは違い、映画の評論をしている。
 評されている映画は「どついたるねん」とか「押忍!!空手部」など、よくわからない作品が多く、さらにそれらが割りと気に入られていておかしい。一方であの名作マンネリ映画「男はつらいよ」が「寅さんはおもしろくなかった」とばっさり、みもふたもないことが言われていたりする。
 そんな映画評の中に無関係に、国技館のロイヤルボックスに忍び込んだという青春エピソード(?)や、28にして女子高生のふりをしてNHKの集金をかわしていた話、岡村靖幸のライブを冷やかしにいったのに不覚にも興奮した話などが入ってきて、ナンシー関の人間らしい(?)横顔が垣間見えるコラムでもあった。

 一方の「メディアジャンキー」は、「でっちあげられた評判の嘘をあばく」というテーマで連載されたコラムだったようだ。秋葉原の電気屋が実は安くないことや、山口百恵が伝説化されている理由が実はわからないこと、衛星放送が実は面白くないことなど、「評判」とその実情の温度差を突いているコラムが続く。
 話題としては週休二日の導入、ファミレスのファンシーグッズコーナーの謎、など僕が小学生だったころの話が多く、その辺にも胸キュンだった。
 そういえば「メディアジャンキー」の中にテレフォンショッピングに対する評が書いてあった。
 テレフォンショッピングは男女ペアで行われ、片方が「バカ」を演じるのが常である、といった内容だったかと思う。
 さて、ナンシー関がある意味好きだった山田邦子(ナンシーは面白くもないのに売れて勘違いしちゃった人が嫌いで、山田はよく槍玉に挙げらネタにされていた)がいまや深夜のしょうもないテレフォンショッピングで相変わらず自信満々の様子で司会をしている。
 ナンシーは生きていたらこんな山田邦子の落ちぶれをどのように評したろうか。

 ナンシー関の名言集にいくつか本書から入れたのでチェックしてみるよろし。
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作品名: 耳部長
作家名: ナンシー関
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆★★★★
ナンシー関その他のエッセイ
【書評・あらすじ】
 やはりオール6。
 いや、これは悪い意味ではなく、むしろいい意味で。
 ナンシー関の本はいつもオール6だ。
 オール6と書いて安定感と読みたい。

 さて、ナンシー関の本は基本的に角川から出されている「何が~」シリーズしかないものと思っていたんだけど、朝日出版からもシリーズとして出されていたのだね。
 題して「耳~」シリーズが数冊あるようだ。
 しかしまあ内容は角川のシリーズと微塵もかわることないんだけど。
 ナンシー関の楽しみ方は、リアルタイムであればそれが理想的でとんでもなく面白かったことが想像できる。
 テレビを見て感じているほのかな違和感をこれほど明確に言葉にしてくれる人がいるわけだから、それはかなりの快感だったろうと思う。
 しかし2002年に逝去してしまっているのでその夢はかなわないわけだ。
 そんなわけで今われわれができる楽しみ方としては、その時代その時代、テレビでいったい誰が目に付いたか、換言すれば「癇に障るほど活躍していた」かを想像しながら楽しむのがベストだと思う。

 そしてこの「耳部長」が連載された時代(97~99年)、特に癇に障るほど活躍していたのは、佐藤藍子とヒロミだろう。
 今では2人とも根元からぼっきりと翼がもげてしまっているけど、確かに世紀末によく見かけた2人な気がする。
 佐藤藍子に関しては、19歳(当時)にしてベテラン然とした「自分が受け入れられることへの確信」が指摘されている。確かに佐藤藍子って昔からテレビに出ていたというイメージ(だけ)があったと思うけど、むしろ当時まだ10代だったということが驚きだ。アンビリバボーのメイン司会なんかもしていたのでてっきりベテランなのかと思い込んでいた。
 一方のヒロミについては「兄貴的存在になろうとしているその途中経過が今のヒロミ」といったことが言われている。
 ヒロミは確か2004年ごろまで兄貴然としてテレビに出続けていたけど、マチャアキになれなれしくしすぎたとかで「発掘!あるある大辞典」から干されたのを機に急転落。姿を消した。
 兄貴路線ではとんねるずやダウンタウンの浜ちゃんと同じ狙いだったんだろうけど。やり方がうまくなかったのかね。
 今ではそんなあるある大辞典も消え、諸行無常、盛者必衰の理を表していることだなあ。

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