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書評ブログの【笑える本を読もう!】

書評ブログの【笑える本を読もう!】


作品名: 夜間通用口
作家名: ナンシー関
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ナンシー関その他のエッセイ 
【書評・あらすじ】 
 ナンシー関2冊目。
 98年7月から99年8月に連載されていたもので、当時のテレビおよび芸能界をばっさばっさと明快に解説してくれる。
 時代としては、反町がGTOのドラマやったり、郷ひろみが「アーチーチーアーチー」がってたころだ。それからXのTOSHIがMASAYAから「バケモノアゴ男」と言われたか言わされたかしてばっちり目覚めちゃってたころだ。
 時代はまさに世紀末。

 ナンシー関の本は連載当時にひざを叩きながらなるほど!なんて納得して読むのがさぞ楽しかったろうと思う。ただこうして時代を経て、今読み直すのも一つの正しい読み方なのかもしれないと思う。
 というのも、ナンシー関があまりにも先見の明がありすぎて、書いてある内容が半ば予言じゃないかとびっくりさせられることがしばしばあるからだ。

 特に本書収録の「頼むからしまっとけ、ヤワラちゃん」がすごい。
 備蓄米のCM「たくわえちゃん」(当時タワラちゃんが出ていた)を見たナンシー関は、ヤワラちゃんこと田村亮子の笑顔が、「お年頃の女性」として若い異性向けられたものではなく、「自慢の孫」としておじいちゃんおばあちゃんへ向けられていることを指摘する。
 そしておじいちゃんおばあちゃん人気を取り込んでいることが、「何か、ものすごくツブシが利く感じがある」のだという。
 そのヤワラちゃんの様子を見て、ナンシー関はこのようなことをいうのだ。
「単なる私の予感だが、選挙出そうだし、ヤワラちゃん」
 出たよ!
 しかも当選しちゃったよ!
 出馬しても金よ!
 やはりナンシーの読みどおり、おじいちゃんおばあちゃんでツブシが利いたのだろうか。なんだかとってもそんな気がする。

 と、このように結果を知っている今、ナンシー関の鋭い読みを楽しむというのもなかなか一興。
 ひとつの予言書として楽しもう。

 ところで本書の中で原千晶の今後がしきりに心配されているんだけど、たしかにほんと、原千晶ってどこに行っちゃったんだろうか。
追記:
 今調べたら、原千晶、アロマインストラクターになってました…。

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作品名: テレビ消灯時間
作家名: ナンシー関
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ナンシー関その他のエッセイ 
【書評・あらすじ】 
 著者紹介に「消しゴム版画家」と冠される、名前からは男か女かさえ判断しかねる謎のコラムニスト。ま、女性なんだけど、本職は本当に「消しゴム版画家」のナンシー関。
 リリーフランキーがエッセイを書き始めた頃は「男版ナンシー関」と呼ばれたことがあるのだと聞いた。それでリリーフランキー好きの僕としてははまるかなと思っていたんだけど、予想通り、ぴったりきた。
 系統としてはリリーフランキー野田秀樹松尾スズキらのエッセイと並べられる。もっとも、これじゃあ伝わらないと思うけど、もちろんいい意味だ。

 連載当時(96~97年)に放送されていたテレビ番組の「番組ガイド」エッセイ。
 いや、本当に番組ガイドなのだ。というより、なまじっか雑誌の番組ガイドよりも番組ガイドだといっていい。
 芸能人、というフワフワした存在と、テレビというやはりフワフワした世界。
 この双方をひざをポンと叩きたくなるほど明快に解説してくれるのが本書。

 稲川淳二は怖い話よりもその話しから浮かび上がってくる私生活のほうが怖い、ボクサー、俳優、画家と称号を変えるたびに過去を「なかった」ことにする片岡鶴太郎、「おしゃれカンケイ」の芸能界における存在意義、なぜTBSは毎朝「はなまるマーケット」なんちゅうくだらない番組を放送しているか。等々、視聴者がなんかちょっと変だなと思っていることについて、毒のある明快な物言いで、ずばずばと解説してくれる。
 ナンシー関の明快さの例としてふさわしいか分からないけど、以下の計算式を引用しておく。

(・安室奈美恵×笑って手を振る=10、猿岩石×ユーラシア大陸横断=10)

 なにぶんテレビが話題なのに連載が96年なので、時間差があるぶんおススメ度は低めにしたけど、当時を超テレビっことして過ごした僕としてはとにかく楽しくてしかたない一冊だった。
 なお、同シリーズのエッセイは何冊かあるようだ。よしよし、これでしばらく本に困らない。

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