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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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作品名: 俺だって子供だ!
作家名: 宮藤官九郎
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆★★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆★★★★★
宮藤官九郎のその他のエッセイ
【書評・あらすじ】
 2005年。
「子供に翻弄されるのが嫌い」との理由で子ども嫌いを自認する宮藤官九郎に、子どもができた。
「子供ができたら『子供がいない夫婦』には二度と戻れない」
 その事実に戦慄するクドカンは、
「怖いので育児日記を書かせてください」
 怖さを紛らわし、すべてをネタにするために文春に駆け込んだ。
「奥さんのお腹が昨日より大きく見えます、助けてくださいっ!」
 そんな叫び声とともにこのエッセイの連載は始まった。

 エッセイはクドカン夫婦に娘の<かんぱ>が生まれる直前から始まる。
 誕生時の喧騒、生まれたばかりにして部長のふてぶてしさのわが子、病院から我が家へ、初めてのお風呂、ウンコ等々。
 序盤はネタにしながらも、ある種淡々と育児の様子が描かれていく。
 しかしあるとき、とうとうクドカンの感情は決壊する。
「リビングからかんぱの声が聞こえると、つい見に行ってしまう」
「岸田國士戯曲賞受賞後1作目。プレッシャーが無いとは言わないが、そんなことよりかんぱの寝返りです」
「やった!かんぱのオムツがSからMになりました」
「こんにちはが『こんちゃ』、バイバイは『ぱっぱい』、地井武男は『ちっち』。どうだ!カワイイだろ!」
 そう、親ばかのダムが完全に決壊してしまうのだ。

 これから後、文庫本にしておよそ400ページはただの親ばか。ひたすらに親ばカンクローだ。
 初めての離乳食、初めての病気、初めてのはいはい。
 そんなかんぱの<初めて>を、親ばカンクローがひたすら親ばか目線で綴る。
 生まれる前のビビリはなんだったのか。まあ、親ってそういうもんなんでしょうね。

 そんなわけで、かんぱの誕生から3歳までの間連載された、クドカンの育児と親としての成長を綴った育児日記エッセイ。
 文庫本の巻末には、単行本化の際の特典として3歳のかんぱとの対談と、文庫化の際の5歳のかんぱとの対談が掲載されている。

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作品名: ボクはワインが飲めない
作家名: 宮藤官九郎
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
宮藤官九郎のその他のエッセイ 
【書評・あらすじ】
 雑誌「TV LIFE」に連載されていたコラムをまとめた単行本『私の体からワインが出てくるの』(川島なお美をネタにしたタイトルだが、単行本化の際本人と一緒にワインセラーに行っているあたりがほほえましい)と『おぬしの体からワインが出て来るが良かろう』の2冊をさらにまとめて文庫化したもの。
 すべてのコラムに連載当時を振り返るインタビューが付され、巻末には文庫本書下ろしの漫画「ボクはワインが飲めない」(宮藤官九郎原作、しりあがり寿画)が掲載。総ページ数400のボリューミーな一冊。

 雑誌に連載されていた時期は2000年8月~2004年ごろ。
 初回ではドラマ『IWGP(池袋ウェストゲートパーク)』の打ち上げのことが書かれている。そして徐々に『木更津キャッツアイ』のドラマとか映画のことが語られたり、バンドグループ魂でライブをやったこととか、ドラマに出演したり監督までやったり「情熱大陸」出たり、というように、クドカンがちょうど超人気脚本家・タレントになってゆくころとちょうど連載時期が重なっている。「笑う犬」のコントなども書いていたようだ。
 感じとしては師匠の松尾スズキの『スズキが覗いた芸能界』と『寝言サイズの断末魔』に近い。
 なにかについてじっくりと考えを述べるというよりも、ドタバタと過ぎる日々のことを綴っているうちに、奇しくも本人の一時代を記録したエッセイ集になっていたって感じ。クドカンが超人気脚本家になってゆくさまを現在進行形で綴ってゆく自伝のような内容になっている。

 なお、宮藤官九郎の略称は一般に「クドカン」で浸透しているけど、本人的には「くんく」がいいのだそうだ。奥さんが考えたんだと。
 え、クドカン結婚しとったんかい。
 そして文庫化の際追加された漫画「ボクはワインが飲めない」では子どものことが書かれていたり。
 え、クドカン子どもおったんかい。
 そんななんか意外な一面を覗かせつつ、肩にまったく力の入っていない、ちゃちゃっと書いたぜ、風のエッセイ。

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