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書評ブログの【笑える本を読もう!】

書評ブログの【笑える本を読もう!】


作品名: 寝言サイズの断末魔
作家名: 松尾スズキ
ジャンル: エッセイ・絵日記

笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆★★★★★
ス:☆☆☆☆★★★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆☆★★
松尾スズキその他のエッセイ
【書評・あらすじ】
 久々に松尾スズキ。 やはり今、笑いを書かせたら松尾スズキがダントツだと改めて思った。
 なんかいろんな意味で、ギリギリ。というか倫理的な意味で、ギリギリ。
 もうほんと、すんでのところで、ギリギリ。

 2001年から2002年までに「週刊SPA!」で連載していたエッセイ(絵日記?)をまとめたもの。
「三原じゅんことコアラを下北沢で目撃。」
 という一文からこの本は始まるのだが、その後、ボクが数えた限り、驚いたことに同じ文章がこの本の中で5回は登場する。
 わずか一年というこの短い期間の間に、三原じゅんこ・コアラ(元)夫妻を5回も目撃するあたり、すでに何か松尾スズキの松尾スズキらしさがにじみ出ているというか、その後の2人の未来をスズキが運命付けたんじゃないかというほど、よくわからんがなんとなく松尾らしいエピソードなのだ。

 その他、終電の網棚で熟睡するレディと遭遇したり、見知らぬおじいさんに「おかあさん」と話かけられたり、「わたしの具合が悪くなったのはですね…略…ご飯を作るのに二時間かかっちゃうから主人もね、職人気質だから言葉が荒くなって。ほんと死ぬことばっかり考えちゃうんです」整骨院の受付で切々と相談するおばさんと出くわしたり。
 このギリギリ感。
 このギリギリアウトな感じ。
 松尾スズキらしくて好きだなあ。

 なお、このエッセイ(日記?)連載中はまだ、元嫁の松尾妻子さんとは夫婦で、ときどき妻子さんも話に出てくる。
「今、オキメグと中谷美紀ちゃんと山口沙也加ちゃんと四人でリンボーダンスやってるの」と真夜中に電話してくる、寝言で「全身全霊で行きます!」と叫ぶ、などかなりエキセントリックな人格をうかがい知ることができた。
 なんかそれはそれでいい夫婦っぽいんだけど、残念ねえ(松尾妻子さんとはその後離婚。松尾スズキは離婚の理由について「あまりにも忙しすぎた」と語ったというが、たしかにこの本を読む限り、忙しすぎたんだね)。

 解説は奥田英朗。
 なぜ!?と一瞬おどろいたが、よく考えたら両者は『イン・ザ・プール』の原作者と映画の主演という関係ありありの二人だった。

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