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町田康のエッセイ【書評一覧】 > 爆発道祖神
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朝日新聞の夕刊に連載していたものをまとめたエッセイ集。
2ページほどのショートエッセイと、その内容に沿った写真が掲載されている。
短めのエッセイがどばばっと収録されているので大変内容を要約しづらいのだが、各エッセイのタイトルをいくつか列挙するだけでもその雰囲気は伝わるのではないかと思う。
では以下にいくつか。
「焼き鮭と石の憎い奴の前で俺、ひっひっひっ」
「今生がビッグバンしそうになってっから」
「他人を押しのけて、ひっひっひっ、俺は利己主義者」
「ろくでなしの私。やっと自由になれたよ。ショベルだよ」
「夢が毀れて、お湯がこぼれてそこらびしょびしょですわ。」
「俺が何屋か。それがおまえに分かるか?俺の苦しみが」
「心がささくれだっちまった。俺は孤独が愉快な親爺なのに」
「奇跡の再来・再臨ショー。おでこぷるるん。回るシャッポウ!」
「家賃と光熱費と慰謝料とその他の月賦。歌って。踊って。」
「またどこかでお目にかかれることを念じつつ、さいならを。」
ゼェゼェ、ハァハァ。とまあ適当にピックアップしてみたが、各エッセイのタイトルだけでもこれだけ個性的なのだ。
ちなみにいっとくけど、台詞を引用したわけではないからね。あくまでも各エッセイのタイトル。
しかし、タイトルだけで町田康の書くちょっとした詩の一節のような印象を感じるのは気のせいだろうか。
おススメは「フォークの柄に立ち、夕陽の中に座る俺、へっ、ノーマネー」。
この人の「フォーク並び」に対するこだわりはやばい。
これは別人が解説してしまってもたぶんまったく面白くなくて、町田康が町田康的に憤りながら語るのが一番面白いと思う。
そんなわけでここでは解説せんので、ぜひ本を読んで笑っていただきたい。
当ブログの「危険度」の意味で要注意。
しかし本全体の印象としては個性的過ぎてあまり一般ウケはせんかなって感じ。
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町田康のエッセイ【書評一覧】 > へらへらぼっちゃん
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町田康の処女エッセイ集。
自分の音楽、3年間ひねもす時代劇を観てすごした日々および時代劇について、小説について、など、徒然に綴られたエッセイ。
自分の作る音楽と小説とロックについて語った「自分の触覚で歌い書く」あたりが好きだった。
自分としては「電車が参ります」という駅のホームで流れるアナウンスの「参ります」が日本語として許容できないのだけど、その苦悶は他人にとってはまったくの些事であるらしく、まただからといってパンクロッカーとしてその憤りから「電車が参るとは何事だ」といった作品が生み出されるわけでもないので、やり場のない憤りをもてあましている。
といった独特の苦悩。
特に、もっぱら流行する音楽をして「およそ諸君はかく生きる可からざるを得ず、といった漠然とした概念的な歌」という評は胸のすく思いがした。
また、大槻ケンヂによる「解説」も必見。必笑。
よくも悪くも「町田康らしさ」がよくわかるエピソードが語られていて笑える。
これは町田康の全著作に共通していえることだが、「町田節」ともいうべき町田の独特の語り口は、なんだかクセになってしまう可笑しさがある。
町田康は分からない、と言いながら、それでもなんだかんだ読んでしまうのはそのためだと思う。
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