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書評ブログの【笑える本を読もう!】

書評ブログの【笑える本を読もう!】


作品名: 真夜中のマーチ
作家名: 奥田英朗
ジャンル: 長編小説

笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆☆★★
ス:☆☆☆☆☆☆☆★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
奥田英朗この他の小説
【書評・あらすじ】
 どうでもいいことだけど、ブックオフで950円分の買い物券が当たってしまった。やはり僕はブックオフの神に好かれている。
 いっとくが僕は基本的にブックオフの100円コーナーでしか本を買わないのだす。
 そこにきて950円といったら、駄菓子屋に紙幣をもって行くようなものなのだす。
 そこで、いつもはうまい棒しか買わないのに、ここぞとばかりにビックカツを購入、友達から羨望のまなざしを向けられる、みたいなマネをしてしまった。
 つまり、300円から350円で売られている、普段ではゼッタイに買わない金額の、つまりは需要の高い売れ筋の本を3冊も買ってやったのだ。俺はやったぞ!ついにやったぞ!!

 という経緯で、以前からずぅっと気になっていた奥田・アタシはずれ作品書きません・英朗の『真夜中のマーチ』をようやく買うことができた。で、先に言っておく。この本は買い。

 自称実業家にして実はただのチンピラ、ヨコケン。
 三田財別の傘下にある三田物産に勤務する三田総一郎。御曹司、と思いきやただ偶然苗字が同じだっただけのダメ社員。通称ミタゾウ。
 そして2人が成り行きでヤクザの金を盗みに行った先で現れる、孤高の美女、クロチェ。
 この3人が手を組んで、闇の世界で動く10億円略奪を目指す。

 他の記事でも書いたけど、仲間が増える系の話ってのは例外なく面白い。
 例えばマンガでいうと、「ワンピース」「スラムダンク」「H2」なんかを思い浮かべるといい。
 最初は主人公一人だったところに、航海士とかポイントガードとかセカンドなんかが集まってきて、主人公の躍進に大きく力を与える。
 たとえばそんな面白さがこの小説にはあった。
 ヨコケンもミタゾウもクロチェも、もともとはそれぞれに一人で動いていた。
 そんな彼らがあるとき出会い、1つのチームになることで、それぞれの能力が生きてくる。
 そして3つの個性が絡み合ったとき、10億円奪取へと物語が大きく転がり始める。
 始めはこれといって結びつきのないキャラクターたちに、次第に仲間意識が芽生え始めるあたりとかたまらなくいい。「仲間が増える系の話」には欠かせない、とても魅力的なシーンだと思う。

 そんな人間ドラマをふまえつつのクライム・ノベル。
 総ページ数328ページ。読み応えたっぷりだす。

 映像化したら面白いだろうなと思ったらとっくにされてた。
 クロチェ役は香椎由宇。む、イメージどおりの適役。あるいは栗山千明もありかと思ったけど。
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作品名: マドンナ
作家名: 奥田英朗
ジャンル: 短編集

笑:☆☆☆☆☆★★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆★★★★
奥田英朗この他の小説
【書評・あらすじ】
 中年サラリーマンをテーマにした短編小説が5話収録された短編小説集。
 妻子もちなのに新しく配属された部下にほのかな恋心を抱いたり、ウーマンリブがそのまま具現化したような女上司にムカつきながらもなんやかんやでちぇっなんでえって思ったり。
 なんかすごくよく分かる、って感じの話ばかり。まあ僕はサラリーマンじゃないんだけど。
 特にこの一冊はそうだと思うんだけど、奥田英朗の作品は「笑える」というより「ユーモラスで面白い」と表現したほうが合うかもしれない。
 外れがないという意味で安定感がある。

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