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奥田英朗の小説【書評一覧】 > 町長選挙
ユーモア短編集。
『イン・ザ・プール 』『空中ブランコ』に次ぐ伊良部シリーズ第3弾。
前2作は伊良部一郎のキャラクターの魅力に乗っかった部分が大きかったと思うのだけど、『町長選挙』に収録された話はどれも、伊良部なしでも十分に魅力的な話ばかり。
4話中3話は、松尾スズキの『同姓同名小説』ばりにそのモデルがはっきりしている。
ジャイアンツのナベツネをモデルとした「オーナー」、ホリエンモンをモデルにした「アンポンマン」、黒木瞳をモデルにした「カリスマ稼業」など。
いずれも、ときとして世間から「叩かれる」人たちの視点にたち、その人たちの苦悩をユーモラスに描いている。
しかし特に表題作「町長選挙」がいい。
島に暮らす人たちの郷土愛がハチャメチャながらもやさしく描かれていて、あははと笑ったあとにほろりと泣ける。
シリーズの中で一番面白かった一冊です。
先日ようやく文庫化されたようなので、今が買い。
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奥田英朗の小説【書評一覧】 > 最悪
つぶれかけの鉄工所の社長、セクハラに悩む女子銀行員、ヤクザに弱みを握られた不良。
3つの人生の転落劇が同時進行で描かれる。
そして3人の最悪な人生の瞬間が交差したとき、物語はとんでもない展開に。
とにかく笑けるほど長い。総ページ数は文庫本で648ページだ。
ただし特筆すべきは、その超大作を管理人はわずか2日で読みきってしまったということ。
あまりにも面白くて、のことである。
加速度を増す転落劇のテンポのよさにぐいぐい引き込まれて、あっちゅう間に読み切れてしまう。
声に出して笑う、というほどではないかもしれないけど、しかし奥田英朗の本にぬかりはない。
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