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書評ブログの【笑える本を読もう!】

書評ブログの【笑える本を読もう!】


作品名: 爆笑問題の戦争論
作家名: 爆笑問題
ジャンル: 漫才形式

笑:☆☆☆☆☆★★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆★★★★★
危:☆☆☆☆☆★★★★★
爆笑問題その他の本 
【書評・あらすじ】
 日本史原論シリーズの一つ。
 日清戦争から第二次世界大戦終結まで。明治以降の「戦争」くくりで書かれた漫才風エッセイ。
 基本的に田中(全部太田が書いてるんだけど)が歴史的背景を説明しつつ、太田がそれについてボケる、というパターンで話しが進む。
 しかし第二次大戦という未だ整理のつかない過去がテーマだったためか、いつもの太田の切れ味が薄い印象が強かった。田中(全部太田が書いてるんだけど)の説明も他のシリーズに比べてシリアスで詳しく書かれているためか、教科書的ニュアンスが強い。
 あるいは逆に、僕にとってそのテーマが生々しすぎて素直にギャグを笑えなかっただけなのかもしれない。

 それにしても以前からこれは言ってきたことだけど、この日本史原論シリーズは大変勉強になる。
 というか近代史の勉強そのものといってもいいかもしれん。
 僕の記憶では、世界史、日本史の教科書で、近現代はさほど大きくあつかわれていなかった気がする。それはおそらく、この時代の歴史を語るということが、そのまま誰かの主義思想を語ることを意味するからだと思う。どんな言い方をしても、どこかでバイアスがかかってしまう。だからなかなか自信を持ってこの時代はこうだったと明記できない時代なのだ。
 実際この本でも言葉を選んでいる箇所がとても多かった。
 しかし教科書が嫌がるその近現代の戦争史にあえて焦点をあてて、しかもそれを漫才形式でやったところに価値がある一冊だと思う。
 太田自身「かなり辛かった」と語っているが、それでも「笑い」で勝負したところがえらい。

 ところでまったく関係ないけど、この本で田中が爆笑問題のリーダーであることを初めて知った。ただし田中をリーダーと決めたのは太田なのだそうだ。
 ほんと、この二人の関係性ってどうなってんだろ。まあ仲良さ気だから見ていてほほえましいけど。

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笑える本を読もう! > 爆笑問題のその他の本【書評一覧】 > 昭和は遠くになりにけり 日本史原論昭和史編
 

作品名: 昭和は遠くになりにけり
作家名: 爆笑問題
ジャンル: 漫才形式

笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆★★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
爆笑問題この他の漫才本 
【書評・あらすじ】
 爆笑問題の日本史原論シリーズの一つ。僕はこのシリーズはわりと気に入っているのです。 

 平成になって22年と半年が過ぎ、いまや「昭和時代」と呼ばれるようになった昭和。その昭和に起きた事件を元に、爆笑問題がいつもの漫才形式で斬る。
 あとがきで太田は語る--「私は常々歴史を学ぶのだったら邪馬台国の昔からやるよりも、現代から逆に過去へさかのぼっていった方がいいのではないかと思っていた。」
 最も今と密接につながった時代なのだから、という。そんな太田の思いの元に書かれたのがこの一冊というわけだ。

 内容としては、芥川の自殺、昭和恐慌、太平洋戦争、東京裁判、高度経済成長、学生闘争、バブル経済、と昭和に起きたできごとを広く網羅している。それにしても、63年も続いただけあって、昭和の激動ぶりには驚く。
 いつか平成が「時代」と呼ばれるとき、やはり未来の人は同じように思うことになるのだろうか。
 少なくとも総理大臣の激動っぷりには驚くだろうけど。大学入試で覚えるときには苦労するんだろうね。

 ところでこの一冊に僕がずっと探していた台詞があった。
 どこかで見た気がしていたのだが、この本だった。
 
読者のみなさんに一言ことわっておきますけど、この『昭和は遠くになりにけり』は、全て、私太田一人で書いています。漫才形式にするため、便宜上田中のセリフにしてある部分もすべて私が書いているものです。この本を読むと一見田中が歴史に詳しいように見えるでしょうが、それは間違いです。田中は何も知りません。無知でバカでチビです。こうして私が原稿を書いている今も、田中はきっと家でポコチンでもいじっているでしょう。
 
 前からずっと疑問だったのだ。この漫才形式の本ってどうやってツッコミとか入れてるんだろうって。
 きっと太田がぜんぶ書いているんだろうとは思っていたけど、その明かし方が鮮烈(笑)

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