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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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作品名: リリー・フランキーの人生相談
作家名: リリー・フランキー
ジャンル: 人生相談

笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆☆★★
リリー・フランキーその他の本
【書評・あらすじ】
 週刊プレイボーイ誌上で人生相談を担当することになり、先人たちとの違いを出すにはどうするかと思案した挙句、リリーははたと思いついた。
「実際に、相談者に会って話を聞く」
 かくして相談者と直接に会って開催されることとなった人生相談。
 読み物のスタイルとしては限りなく対談集の体をしているが、何せ会う相手はプレイボーイ読者。何を出してくるかわからないど素人。とにかく類を見ないヘンテコな人生相談になっていることは確かだ。

 さて、やはりリリー・フランキーは頭がいい。言うこと言うことがいちいち的を射ており、切れ味のいい発言でスカっとさせてくれる。
 ただ相談者の相談というのがあまりにもアレなために、リリー・フランキーが的確なことをいうたび、いったい何の話をしているのかとバカらしくなるのがこの本の魅力だ。
 例えば「芝居という夢があるのに、バイト先で正社員にならないかと誘われています(22歳・アルバイト)」の相談を見てみよう。

 相談者は現在アングラの劇団で俳優をしている一方で、バイト先から社員にならないかと誘われているという。そして相談者は、社員になってしまっては自由に劇団の活動を続けていくことができないのではないかと悩んでいるという。
 そんな相談者との対話、のっけからリリーが飛ばす。
「アングラっていうと、金粉ぬってチ○ポに土瓶つけて踊るようなやつ?」
 第一声で身も蓋もない言われ方だが、「はい、そういうやつですね。ブタを野放しにしてフンドシ姿でチェーンソー振り回して追いかけたり…」なんとかなり的確なものだったらしい。
 さらにリリーの的確な指摘は続く。
「年に3回ぐらいの公演の時に『ブタを追いかけるんで休ませてください』って言ったら、社員でもまず休ませてくれるよ。そんなヤツの話、なるべく深く聞きたくないしさあ。だから、社員になったところでキミのいまの生活はなんら変わらないよ。収入が増えるくらいで」
 そんなリリーの指摘に相談者は、
「たしかに…」
深々と納得してしまった。
 その後いろいろと説得された相談者は、まず社員になってから自ら劇団を旗揚げすることを決意し、バース1号(バイブとして使われガチな例のマッサージ器で、相談者にお土産として渡すのが恒例となっている)を手に帰って行った。

 このようなバカな相談が43個も収録されているのが本書だ。
 相談は男編、女編で分けて編集されているが、男編のほうがイジイジしていて、リリーの切れる発言とのからみが面白い。
 それに基本的に女編は「オナニーしなさい」しか言っていないしね。

 ちなみにおまけで最後に田代まさしとホリエモンとの相談(2009年)が掲載されている。
 田代の「もうやってないですよ!」という発言が、なんだか胸熱…。

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作品名: 小さなスナック
作家名: リリー・フランキー
ジャンル: 対談集

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
リリー・フランキーその他の本 
【書評・あらすじ】
 リリー・フランキーとナンシー関による対談集。
 ナンシー関晩年に行われていた対談をまとめたもので、予定としてはシリーズとして数冊出されるはずだったものの、連載中のナンシー関の急逝によりこの一冊で完結している。

 対談集は書き物と違って練られた話題や笑いがないから、普段はさほど好きではない。しかしこの本は不思議と読んでいて飽きなかった。リリー・フランキーとナンシー関のコンビネーションがかなりいいからだと思う。
 話題はエッセイや消しゴム彫り(ナンシー関は消しゴムスタンプで似顔絵を彫ることで有名なのだ)など各々の仕事について、カラオケや酒など遊びについて、それから若者の「かっこいい」、涙の意味、旅etcetc、とにかく多岐にわたる。

 以前からエッセイや小説を読んで、リリー・フランキーはかなり頭がいい人だと思っていた。普段はあんな感じだけど、かなり物事を深く考えられる人だと思う。
 それでこの対談集を読んで、改めて彼の洞察眼に関心した。
 例えば携帯電話について
「人同士のコミュニケーション形態を変えてますよ。『連絡ついて当たり前』とみんなが思い始めてるから」
 若者の「ピース」について
「今流行のポジティブなものにはカオスがないんですよ。一生、言い続けていそうな強さも感じない。そういう精神性の中のカッコよさの基準は理解できない」
 泣くことについて
「ほとんど世の中の涙は、泣こうとして出る涙ですよね。やっぱり出る前に考える暇がある涙って、何らかの着地点を持ってる。自分を投影したりとか」
など。
 普段から自分を含む世界を俯瞰していないと、トークのライブである対談でこれだけ的を射た名言は出てこないと思う。

 ところで、以前からナンシー関の名前は「笑える本」近辺に出てきていて知っていたのだけど、本書のあとがきによると、リリー・フランキーはかつて「男版ナンシー関」と呼ばれていたそうだ。ということは、リリー・フランキー好きの僕にはナンシー関のエッセイもはまるってことなのかな。
 てなわけで、ナンシー関を気になる人リストに加えておく。

追記
 その後まもなくナンシー関におおはまり。
 なお、本書内で語られている「コンビニ弁当の特許」のくだりは、『信仰の現場』の取材のときの話。

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