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笑える本を読もう! > 中島らものエッセイ【書評一覧】 > 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町

作品名: 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町
作家名: 中島らも
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ス:☆☆☆☆☆★★★★★
危:☆☆☆☆☆☆★★★★
中島らものその他のエッセイ 
【書評・あらすじ】
 半生を綴った自伝のようなもの。小中学生の頃から大学を卒業するまで。
 学生時代のバカやった話やモラトリアムの悶々とした日々。
 中学時代にコードもろくに押さえられないのにバンドを結成したといったバカな話(悲しそうな顔をして「オブラディ・オブラダ」を歌う友人を見て、解散)から、ジャズ喫茶で惚れた女(後に嫁になる)と筆談したなんて美しい思い出まで書かれている。

 何より、浪人中に自殺した友達のことに関する項は胸をつく。
「生きていて、バカをやって、アル中になって、醜く老いていって、それでも『まんざらでもない』瞬間を額に入れて眺めたりして、そうやって生きていればよかったのに」

 アル中、うつ病、希死年慮。
 そしてこの本に描かれた、暗い10代の後半。
 多くの「伝説」と呼ばれるロッカーがそうであったように、中島らもほど若くに自殺していそうな作家もほかにいない気がする。

 しかしどういうわけからもさんは死ぬまで生きた。
「あんまりあわてるから損をするんだ、わかったか」
 自殺した友人にそんな言葉をかけながら、「『まんざらでもない』瞬間を額に入れてときどき眺めたり」しながら、死ぬまで生きたのだ。

 この本のあとがきで、らもさんはこのように明かしている。
「ほんとうのところはこの後に『超絶的に明るい、おじさん時代』というものが忽然と横たわっている」
 らもさんがそういうのだから、それなら僕もきっと大丈夫。
 22歳の悩める僕に、そう思わせてくれた一冊。

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