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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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作品名: 新解さんの謎
作家名: 赤瀬川原平
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆★★★★★
楽:☆☆☆☆☆★★★★★
ス:☆☆☆☆☆★★★★★
危:☆☆☆☆☆☆★★★★
赤瀬川原平のその他のエッセイ 
【書評・あらすじ】
 赤瀬川原平が一目置いている女性「S君」からあるとき電話がある。
「わたしはいま、しんめいかいに来てるんです」
 最初は何のことだか分からなかったが、どうも彼女は《新明解国語辞典》の面白さにとりつかれてしまっているらしい。
 その連絡を受け、赤瀬川も即座に《新明解国語辞典》、通称「新解さん」に目を通す。

れんあい【恋愛】--する 特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持を持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。
 
「出来るなら合体したい」などというその辞書らしからぬ解説を読んで、赤瀬川はこう感じる。
「読書のような気持になった。辞書なのに」
 かくして赤瀬川は「新解さん」の面白さにどっぷりはまってゆく。

「大きくなったきりで、もとにもどらなくなってしまった」
 などというあからさまに気になる例文はもとより、
「ごきぶり 〔「御器かぶり」の変化〕台所を初め、住宅のあらゆる部分にすむ、油色の平たい害虫。さわると臭い」
「イナゴは軽快で、香ばしく、肉にむっちりしたところもあって、いいオヤツになるのだった」
などと、やけに個人的感想が前面に押し出されていたりする「新解さん」の解説文。
 そんなツッコミどころ満載の辞書に、すっかり「新解さん」ファンと化した赤瀬川が次々とツッコミを入れる。
 果たして自分で《新明解国語辞典》を眺めていてこれほど笑ったかは不明。ただこうしてエッセイとして面白さ、おかしさを強調してもらえると、たしかに変な辞書でやたらと可笑しい。

 文庫版には合わせて「紙々の消息」が収録されている。

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