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町田康のエッセイ【書評一覧】 > 正直じゃいけん
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憤る作家、と呼びたい。町田康、あるいは町蔵、また、マチゾーのことを。
むろん【憤る】とは「腹を立てる」の意味のみならず、「気持ちがすっきりしないで苦しむ」の意味を含む。
「くわあ」とか「ア、ウーン」とか「わぎゅう」とか言いながらなんか憤っている。紙面に載ったインタビューの「(笑)」とか、「と思っています」とか、10年かけて育てたマイ枕のふがいなさとかに。
そんな町田康の憤りがたっぷりつまったエッセイ集。
この本で特筆すべきは、中島らも作の『バンド・オブ・ザ・ナイト』の書評が掲載されている点だ。この書評とは、らもさん自身がその内容に大変ご満悦であった書評だ。
町田康は『バンド・オブ・ザ・ナイト』の、書評家たちがそろって評価を避けたという問題のシーン、つまり主人公の酩酊のシーンについて以下のように述べている。
むろん【憤る】とは「腹を立てる」の意味のみならず、「気持ちがすっきりしないで苦しむ」の意味を含む。
「くわあ」とか「ア、ウーン」とか「わぎゅう」とか言いながらなんか憤っている。紙面に載ったインタビューの「(笑)」とか、「と思っています」とか、10年かけて育てたマイ枕のふがいなさとかに。
そんな町田康の憤りがたっぷりつまったエッセイ集。
この本で特筆すべきは、中島らも作の『バンド・オブ・ザ・ナイト』の書評が掲載されている点だ。この書評とは、らもさん自身がその内容に大変ご満悦であった書評だ。
町田康は『バンド・オブ・ザ・ナイト』の、書評家たちがそろって評価を避けたという問題のシーン、つまり主人公の酩酊のシーンについて以下のように述べている。
この部分は大島が酩酊したときの脳内に訪れるイメージとして読め、つまりだから素面の人間にとってはジャンキーの妄想、幻覚であるはずなのだけれども、驚くべきことにこの部分にそのような訳のわからなさというものはまったくなく、逆にすべてがおそろしく明白で、内閣総理大臣の所信表明演説などに比べてもはるかにその意味するところがわかりやすい。
町田康は、あの一見混沌としたイメージの連鎖の中に、このような縦糸を見出すのだ。この書評には感動してしまった。PR
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