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中島らものエッセイ【書評一覧】 > 恋は底ぢから
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『獏の食べのこし』と並んで、中島らもにはまるきっかけとなった一冊。
中島らもの魅力は、博識と笑いと下品さと美が同居しているところ。しょうもない笑い話をとことん言い倒したあとに、ふいに真顔になったかと思えばとびきりキザなことを言ったりする。
途中はさまれる恋愛詩「チビの女神さまへ」と恋愛小説「恋するΩ病」なんか見てると、男でもポッとしてしまうほどにキザでダンディでかっこいい。
「恋は……世界中で一番美しい病気だ」
なんて言葉を嫌味なくいってくれちゃうのだ。
しかし直前のエッセイでは、「土人」について熱心に語っていたりするから、どこまでも憎めない人なのだ。
この本で特筆すべきは「その日の天使」。
どうしよもないほどに込み入った事情の中、逃げ道も見つからず、もうだめだ、死んでしまおうか、と思ったとき、ふと遠くからこんな言葉が聞こえてくる。
「やっきいも~やっきたて~ほっかほっか」
思わず笑ってその日をなんとかやっつけて、そうやってらもさんは死ぬまで生きた。
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中島らものエッセイ【書評一覧】 > 西方冗土
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僕が最初に読んだ中島らもの本。
今でこそ「心の師」と(勝手に)呼ぶほど敬愛する中島らもであるが、この本ではそれほど好きにならなかったのだ。
しかし今改めて読んでみて合点がいくのは、この本は結構VOW的要素が強い。関西人の妙なとこや関西で見つけた驚きの看板(もろVOWチック)などについて語られている。だからVOWで素直に笑えない僕としては、そんなに好きな内容ではなかったのかもしれない。
しかし2章に書かれた「試験に出る関西弁」は好きだ。関西弁の単語とその使用例が示されているのだけど、どれもアホな実例ばかりで、コント作家だったらもさんの本領発揮、といった感じだ。
特に「④女の子をデートに誘う」の項の「アホ」の使用例なんて、胸がキュンとなるほどにいい。まあ書いているのはあのおじさんなんだけど。
ところで15年ほど前にテレビでやってた、所ジョージ司会の「○○万人伝説」みたいなタイトルの番組で、「ネーポン」なる謎の飲み物が紹介されたことがあった。それは怪しいおばさんが亜細亜コーヒーなる危ないムードの店で売ってる謎の飲み物で、「自主規制」が推奨される今のテレビではまずお目にかかれないような、大変いかがわしい映像だった。
その映像は僕がこの年になっても覚えているほどに笑撃的で、当時テレビの前でのた打ち回って笑った記憶がある。
ところでこのネーポンの元ネタは、どうやらこの『西方冗土』にあったらしい。らもさんがこのエッセイで紹介したところ、テレビ局がらもさんの制止を聞かずに取材を敢行してしまったらしいのだ。
その辺は「謎のババア喫茶」にて詳しく書かれている。
また、この本はチチ松村のあとがきもめちゃくちゃ笑える。
それだけで笑える度が☆一つ上がるほど笑える。
バリに同行して一緒の部屋だったらもさんが躁転してしまい、深夜、寝ようとする松村を必死に寝かせまいと意味不明なことを叫ぶらもさん。珍しくハイならもさんを、しかも客観的視点で見ることができるという貴重なあとがき。
なお、この「あとがき」に書かれていることは『水に似た感情』にて小説化されている。
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