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書評ブログの【笑える本を読もう!】

書評ブログの【笑える本を読もう!】


作品名: Catch-22
作家名: Joseph Heller
ジャンル: 洋書・小説

笑:☆☆☆☆☆☆☆☆★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆☆☆★
この他の笑える洋書 
【書評・あらすじ】
 第二次大戦下の空軍が舞台。軍隊生活の不条理さを描いた作品。
 タイトルの『Catch-22』とは、気が狂えば除隊が許されるが、気が狂ったことを自覚する奴は正常だと記された条項のこと。つまり気が狂ったと報告しても除隊は許されず、本当に気が狂ってしまった奴は何も考えずに戦闘に出るので、結局誰も除隊できない、という罠(catch)が仕掛けられているのだ。
 現在ではこの小説上の意味から、逃げ場のないジレンマやパラドックスを抱えた状況を意味する慣用句となっているそうだ。
 該当箇所はココに引用したので気になる人はどうぞ。

 ところで、第二次大戦や軍隊と聞くと、なにか仰々しい印象を受けるかもしれないが、さにあらず。
 はっきりいって爆笑小説。それもギャグのために丁寧に複線が張り巡らされた、とてもよくできた笑える小説だ。

 アメリカ人って利口なイメージがあるじゃない。だってあの難しい英語をあれほど流暢に話すんだから。こちとら10年必死に勉強してもろくに喋れないってのに、あいつら3歳児でも平気で英語喋るからね。おっどろいたね。利口だね。
 それで実際に文学史に載ってるような本を読むと、またクソ面白くもない話ばっかりじゃない(まあ文学史だしね)。それでてっきり僕は、利口なアメリカ人には松尾スズキみたいなバカなことを書ける小説家はいないのだ、と諦めていた。
 しかしこの『Catch-22』は笑える。文学史に出てくるのに笑える、という稀有な作品なのだ。
 訳本としてはハヤカワから上下巻で出ている。が、言葉のリズムが違うのかイマイチ笑えない。やはり翻訳となると学者が負うところが大きいので、どうしても固い感じになってしまうのかもね。
 松尾スズキあたりのギャグの専門家に好きなように訳させてみてほしい一冊だった。
 そんなわけで英語ができる人はぜひ原文にチャレンジして欲しい一冊。
 英語はかなりの難しさ。ページ数的にも読み応えめちゃくちゃ大。

 訳本は以下の上下巻2冊。大きな本屋さんにさえたまにしか置いてないので、買うならamazonが無難かな。
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Comment
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早川 「 キャッチ22」 toohuudoo 2012/03/15(Thu)11:03:19 編集
最近、いつもこの本が寝床にあって、これを読めるのが
楽しみで寝にいくんだが、何度同じ箇所を読んでも、笑えてしまい、笑いのの連続で眠れなくなってしまう
Re:早川 「 キャッチ22」 管理人 2012/03/18 23:40
toohuudoo様
コメントありがとうございます。まさかこの本にコメントをいただけるとは思っていなかったのですごく嬉しいです!
「笑いの連続で眠れなくなってしまう」って本当によくわかります。
大学の講義で「読まされた」上に、大戦を舞台にした作品と知って読み始めた作品だったのでまったく期待していなかったのですが、笑いに継ぐ笑い、笑いのための伏線、逆にギャグのふりしたストーリーへの伏線…小説としてとても面白いうえに抜群に笑えるという、笑える本の名作だと思っています。
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