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書評ブログの【笑える本を読もう!】

書評ブログの【笑える本を読もう!】

 

作品名: 心が雨漏りする日には
作家名: 中島らも
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆★★★★★
危:☆☆☆☆☆☆★★★★
中島らものその他のエッセイ
【書評・あらすじ】
 中島らも自身が経験した躁うつ病に関するエッセイ。
 エッセイは自身の父が躁うつ病だったことから始まる。そこでは突然思い立って自宅の庭にプールとローラースケート場を作ったり、わざわざ異常な出っ歯の入れ歯を作り、他人のふりをして子どもたちをびっくりさせた、といった父のエピソードが、彼の躁病に関連付けられて語られている。
 そこから自らのうつ病の来歴、希死念慮に取り付かれたこと、入院中のできごとなどが語られてゆく。
 しかし特に壮絶なのが、うつよりも躁が発症してからの話だ。

 中島らもの躁病については小説(『水に似た感情』、またはエッセイ『西方冗土』のチチ松村(ゴン・チチ)の解説に詳しい。
『水に~』はまさに躁状態の中島らもがリアルタイムでその様子を書いた小説だ。また、チチ松村の解説では、そのときの様子がどうだったかが客観的視点で書かれている(これが爆笑なんだけど)。
 さて、この『心が雨漏り~』だけに綴られた躁の話も壮絶だ。
 詳しくは本書を読んで楽しんでいただきたいのだけど、なんでも躁状態のときに、仕事で大阪から東京へ行ったのに、なぜか東京のホテルにチェックインした後、京都で途方に暮れているところを発見されたらしいのだ。
 風が吹いたら桶屋が儲かる的ぶっ飛び感。
 なんでも中島らも自身にはそのときの記憶はほぼないらしい。
 とてもシュールな小説のようで、いったい何の話を読んでいるんだろう、という不思議な気持ちになる話だった。

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