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栗田有起の小説【書評一覧】 > オテルモル
ビルとビルの間にわずかに開いた隙間。その細い空間を横向きの姿勢になってなんとか入り込んだところにエントランスがある、地下13階建ての風変わりなホテル。「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン」。
ビジネスホテルとして、客に「最高の眠り」「最良の夢」を提供することを目的としている。
新しくそこに受付として勤めることになった主人公、希里。
その「誘眠顔」を見込まれてホテルの受付に採用されたのだ。
とここまであらすじを書いていて、相変わらずだなーと思った。ちなみにこれはいい意味だ。
栗田有起は以前に中編の「ハミザベス」を読んだが、どうもこのしれっとしたとぼけ具合というのがこの人の持ち味らしい。
だいたいなんなんだ、「誘眠顔」って。
物語の筋としては、希里のホテル・モルでの勤務の様子と珍妙な客たちが描かれるのと平行して、希里の家族、とりわけ双子の妹、沙依との過去が描かれていく。
妹の沙依は中学生の頃から壊れ始め、現在は覚せい剤の治療のために入院している。家にはその娘の美亜と、沙依の夫で希里の元恋人でもある「西村さん」がおり、希里はその二人と複雑な構成の家庭を形成している。
実はこのように、物語はややこしくて結構ダークなはずなのだ。
しかし栗田有起の面白いのは、ギャグがそうであるように、この暗いテーマさえもさらさらと流れてゆくことだ。
とてもライトで、さも自然なことのように流れてゆく。
この作品については、「ユーモラスでさらりとした読み口のシリアスドラマ」というどっちなんだかよくわからない言葉で評しておく。しかし読めばわかってもらえると思う。
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