忍者ブログ

書評ブログの【笑える本を読もう!】

書評ブログの【笑える本を読もう!】

 

作品名: 乙女なげやり
作家名: 三浦しをん
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ス:☆☆☆☆☆☆☆★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
三浦しをんの他のエッセイ 
【書評・あらすじ】
 僕はクールだ…ってこのネタ、以下はコチラと同文。とほほですよ。

 ところで僕は高校時代を男子校で過ごした。男子として「あの辺」の一番多感な時期を、女の子抜きで過ごしてしまった。おかげで僕は「クラスメートの女子」というイメージを知らず、要するに「普通の女子」というイメージが抱けないまま10代後半を過ごした。
 その反動なのか、大学は文学部に通った。
 文学部とは女9:男1という脅威の割合でみごとに女子ばかりの学部だ。
 これはもう完全にハーレム状態だ。引く手あまたの引っ張りだこ。ぱっこんぱっこんだ。うはははは、はははははは、うはは、はははははは…。
 …ない。
 そんなことはないっ!

 そんな事情で、どうも僕は女性に対して抱くイメージに偏りがあるらしい。特にこの『乙女なげやり』を読んでそのことがよおく分かった。というのも、どうもこの『乙女なげやり』から察するに、女性というのはこういうものらしいのだ。
①猫になって好きなアーティストから「うんちがでかい」と褒められることを夢想。
②若い男二人が案内役の旅番組を妄想し、「あらあら浴衣で釣りですか。裾を引っかけないように気をつけてくださいよ~」とご丁寧にナレーションまで加える。
③変なブルマにピチピチのタイツスタイルのミノロフ先生に胸が「張り裂けんばかり」。
 など、もうなんかよう分からんが、しをんさん、ほんとかよ!といった感じで、「乙女」という言葉をことごとく打ち砕いてくださり、いい具合にぶっ飛んだエッセイ集、大変おいしゅうございました。

PR
SHARE THIS!!!    

作品名: 夢のような幸福
作家名: 三浦しをん
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ス:☆☆☆☆☆☆☆★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆☆★★
三浦しをんの他のエッセイ 
【書評・あらすじ】
※今回の記事では「(※)」のタイミングで上のamazonの広告を見てください。

 僕はクールだ。
 人に尋ねると、単に口下手で人見知りなだけやろ、としかられることしばしばだが、そういう心無い言葉に耳を傾けてはならない。
 他人はしょせん他人なのだ。なーんも分かっちゃいないよ。
 ついでにやつらは地獄に堕ちるといいのだ。煉獄の劫火に身を焦がすといい。
 ああ、悲しいかな。僕はクールだ。

 ところで文庫本はクールを演出するのに向いている。
 喫茶店なんかに颯爽と入り、カフェラッテ、カフェモッカ、キャラメルマッキャートあたりを注文する。
 そして窓辺の席を陣取って、紫煙をくゆらせながらぱらりと文庫本を開くのだ。
 その際、煙たげに目を細めることをわすれてはならない。

 ああクール。
 カッフェの店員さんから「窓辺のクールマッキャート」かなんかあだなされたりして、ああ、もう…ぼかぁ、だめだ。

 このように、文庫本でクールガイ、ついでに女の子からモテモテ作戦を常時敢行し、いまだかつて成果を一つも上げていない僕なのだが、今度ばかりは自らの失敗を認めざるをえない。
 というのも先日、移動中にいつものように周囲の女の子の目を意識しながら、ぱらりと文庫本を開こうとしたのだが、この本を取り出した瞬間「あ、こりゃあかん」と悟った(※)のだ。

 何度も書いてきたとおり、僕はクールだ。
 どちらかといえば服装も「大人っぽい」とかいわれそうな(実際にいわれたことはない)ものを選んでいるし、立ち居振る舞いもそれを意識して慎ましく振舞っているつもりだ。
 が、僕のパーソナリティがどうであれ、しょせんはこれ(※)なのだ。
 いや、むしろ大人っぽければ大人っぽいほどまずいんじゃないかな、これ(※)は。
 どうみてもただのロリコン野郎ではないか、これ(※)じゃあ。

 と思わぬ失態を演じてしまったため前置きが長くなったが、三浦しをんの『夢のような幸福』だ。
 三浦しをんは直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』がかなり気に入ったので、今度はエッセイを読んでやろうと前々から思っていたのだ。
 やはり笑えた。
 営業の人に怪しまれずいかにパンパ(パンパースのあのクマのキャラクター)にファンレターを出すか友人と話し合い、小説を読んでは登場人物のボーイズラブを妄想の中で発展させ、時には「部屋に土嚢を積むことを想像して、うっとりと」してしまう。
 妄想妄想また妄想。表紙(※)とは裏腹に、内容はそんな風にはかわいらしくないのだ。
 かといって妄想系(大槻ケンヂとか)に特有のアンダーグラウンドさもなく、とても適度な妄想具合だった。

 ところで「B温泉」としてこのエッセイ集に登場する、大分の温泉街、別府温泉は本当にいい味だしている町だ。
 近隣の温泉街、湯布院や黒川温泉は観光客用に演出されたニセモノ感があるが、別府はもう間違いなくホンモノなのだ。
 半動物園と化した「地獄温泉」があるかと思えば、ひなびた温泉街につきものの「秘宝館」が例のごとくといった具合にある。
 迷い込んだら二度と出られないのではないか、と恐ろしくなるような妖しさがあっていい町だ。

SHARE THIS!!!    
PREV ≪  TOP | 1 2 
Sponsored Link
Share
Ranking
人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ
New Reviews
Recommend
松尾スズキ (小説)
 クワイエットルームにようこそ
中島らも (エッセイ)
 中島らものたまらん人々
町田康 (エッセイ)
 猫にかまけて
奥田英朗 (小説)
 ララピポ
森見登美彦 (小説)
 夜は短し歩けよ乙女
Sponsored Link