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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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作品名: ネリモノ広告大全(ちくわ編、ごぼてん編)
作家名: 中島らも
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆★★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
中島らものその他のエッセイ
【書評・あらすじ】
 らもさんのデビュー作となる、「啓蒙かまぼこ新聞」を2冊にまとめたもの。
 どう見てもエッセイなのだけど、これが雑誌「宝島」に掲載されていた<カネテツデリカフーズ>(かまぼこ会社)の広告だったってんだからすごい。
 当時はでっかい紙面の真ん中に「お尻だって洗ってほしい」みたいな一文が慎ましく書かれているのが広告界の流行だったらしいんだけど、なら俺は違うことをやる、と、紙面一面文字でびっしり埋め尽くしてやったらしい。その発想がいかにもロックしててらもさんらしいや。
 ロックといえば中には、
電通がなんだ。
  博報堂がなんだ。
    1対1だったら
      負けないぞ!!
-広告のご用命なら-
(株)日広エージェンシー

といった当時の勤め先の広告がでかでかと入ったページがあったりして、本当にロックな広告なのだ。
 もともとカネテツは由緒あるかまぼこ会社だったらしいのだけど、この広告の効果でパンクな若者たちが就職試験に殺到したのだそうだ。変な広告効果をもたらしたものだ。

 当時はまだ普通に(?)広告代理店で会社員をしていたはずなのだけど、すでに文章が抜群に面白い。エッセイスト中島らもはこのときから完成していると思う。
 この「かまぼこ新聞」で文章の才能を知られエッセイの依頼を受けるようになり、さらに小説まで書くようになった…という まさに中島らもの原点、スタートラインとなる広告がこれだったのだ。

 なお、「ちくわ編」はがっつりエッセイ、「ごぼてん編」はカネテツのキャラクター「てっちゃん」を主人公にしたマンガとショートエッセイが掲載されている。

追記:2008年にリニューアルして新潮文庫から「定本 啓蒙かまぼこ新聞」として発売。中身は「ちくわ編」と「ごぼてん編」をいろいろカットして一冊にまとめた感じ。
 「ごぼてん編」(左)はマンガ中心。絵もセリフも手書きの上、ネタもシュールなの多いから結構読みにくかったりもする。もっとも、幼少時代に「ガロ」系のマンガに傾倒したというから、そっち路線なのかもしれない。
「定本 啓蒙かまぼこ新聞」(右)は「ちくわ編」と「ごぼてん編」を小さくまとめたような一冊。
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作品名: 牢屋でやせるダイエット
作家名: 中島らも
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
中島らものその他のエッセイ 
【書評・あらすじ】
 らもさんが大麻所持で逮捕されたときに経験した、22日間の拘置生活を綴ったエッセイ。
 逮捕時のことから拘置所での暮らし、感じたことなどが驚くほど事細かに記されている。せっかくだからネタにしてやろうとメモをとっていたらしい。
 拘置された夜、血圧に異常が起きて死に掛けたのだけど「規則」という理由で医療を受けられなかったといった、リアル版『クワイエットルーム』(松尾スズキ)のような話があったり。そして飯ストならぬ風呂スト、ひそかに付けられた監視カメラへの反抗、といったロックな一面も見せてくれます。らもさんかっこええ。
 しかしタイトルに反して、規則正しい生活と旨い飯(ただし心を込めて冷やしてある)によって、太って出所したのだとか。

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