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中島らものエッセイ【書評一覧】 > とほほのほ
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中島らもがとにかく自分の興味があることについて語ったエッセイ。
B級映画を笑う「B級はエイキューだ」、プロレスを笑う「セメントでいこう!」、楽器、動物、まずい飯屋、など自分の好きなものを笑う「私の好きなもの」など。
特に笑いと恐怖の関係について論じた「恐怖と笑いについて」はショートショートを書くうえで(※管理人は趣味でショートショートを書いているのです)勉強になる。
いかに恐怖と笑いが表裏一体であるか。
この辺の考えをもとに長編小説『こどもの一生』はかかれたのだという。
またこの恐怖と笑いに関する考察は、晩年の「差別」と笑いに関する考察につながっていく。
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浅田次郎のエッセイ【書評一覧】 > 勇気凛凛ルリの色
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1994年から1998年にかけて「週刊現代」に連載されていた浅田次郎の人気エッセイシリーズ『勇気凛々ルリの色』の第一巻。『きんぴか』や『プリズンホテル』など、笑って泣けてしかもバツグンに面白い作品を書く作家浅田次郎の自伝的要素が強いエッセイとなっている。
ところできんぴかシリーズの主役の一人に「軍曹」という男がいる。この男は自衛隊あがりで脳みその中まで筋肉でできている。よくいえば実直、ありのままをいえば単細胞の筋肉馬鹿といった感じで、きんぴかに笑いの彩りを加えているのだ。僕はてっきりこのキャラクターを完全に浅田次郎の創作だろうと思っていた。現実にこんなめちゃくちゃなやつがいるわけがない、と。
しかしこのエッセイを読んで、どうも彼にモデルがいるらしいことが明らかとなった。というよりもはっきりいえば、軍曹はどうみても浅田次郎本人だったのだ。
自伝とはおもえないほど、それはもう見ごたえのある自伝だった。
全体の印象としては、強くて優しい人からあふれ出たような名言が心に残る。特にあとがきに記された言葉が好きだ。
「笑いこそが人間をあらゆる苦悩から救い、苦境から立ち上がらせる勇気のみなもとであると、私は信じている」
中島らもの言葉に「ギリギリまで苦痛に苛まれているとき、人を救うのはユーモアである」というのがあるが、実はこれと同じことをいっているようだ。
路線としては逆を生きた二人なのに、しかしよく似ている。
浅田次郎と中島らも、この二人の書くエッセイは、よく似ている気がする。
なお、このエッセイの同シリーズとしては2冊目の『四十肩と恋愛』、最終巻の『満天の星』、それから復刻版(?)の『ひとは情熱がなければ生きていけない』(文庫化の際に「勇気凛々」シリーズに加えられる)などがある。
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