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三浦しをんのエッセイ【書評一覧】 > 桃色トワイライト
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作品名: 桃色トワイライト 作家名: 三浦しをん ジャンル: エッセイ 笑:☆☆☆☆☆☆★★★★ 楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★ ス:☆☆☆☆☆☆★★★★ 危:☆☆☆☆☆☆☆★★★ 三浦しをんの他のエッセイ |
僕はクール…(以下略)
しかしほんと、三浦しをんのこのシリーズは、いったいどんな顔をしてレジに持っていったらいいのかわからない。
いっそエロ本で上下をはさんでカモフラージュしてみようかしら。
そうすることでダメージが軽減されるんだか増幅するんだか、もうなんだか僕には分からない。
このエッセイ集は、以前ウェブマガジンに書いていたものを選りすぐったものらしいのだが、媒体が何であれ三浦節は絶好調。
「プライドが邪魔をして、彼女の家の郵便ポストに犬のクソを投げ込むとか、そういう姑息な報復手段に出られない自分が歯がゆいよ、あたしは!」
「ふん、佐藤浩市…あんなアジのひらきをバリバリ頭から食べてそうなひとなんて!」
など、ぶっ飛んだ名言を連発していた。
三浦しをんの書くエッセイについては、解説で岸本佐知子がいっている「日常の面白い出来事を面白く書くのは、簡単そうに見えて、じつはとても難しい」という言葉がぴったりだと思う。
取り分けて何が起きるわけでもない日常の中から「ヘンテコ」をみつけてきて、しかもそれを読者に楽しく伝える力。
喫茶店でダベる女性の会話を盗み聞きしているような気分で楽しめる一冊。
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作品名: The House at Pooh Corner 作家名: A. A. Milne ジャンル: 洋書・小説 笑:☆☆☆☆☆☆★★★★ 楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★ ス:☆☆☆☆☆☆☆★★★ 危:☆☆☆☆☆☆☆★★★ この他の笑える洋書 |
ディズニーですっかりおなじみ「くまのプーさん」の原作。
当初はしょせんガキが読むもんやとなめてたんだけど、読んでみてびっくり。むしろ、これ子どもでも分かるの?ってほどのユーモアで溢れており、大人の読み物として十分通用する笑える本だった。
ディズニーとは別物として読むべし。
ブリティッシュユーモアでは伝統的に、体液の種類でキャラクターの性格を分類できるという。
ユーモア(humor)の語源はラテン語の医学用語「フモール」(体液の意)という言葉で、中世では人格は血液、粘液、黒胆液、白胆液と呼ばれる体液のバランスで決まると考えられていた。つまり過剰に血気盛んな人格は、血液過多のせいでもたらされる病気だと考えられていたというわけだ。
ほいでそのフモールが英語のHumor(人間性)という単語になり、過剰な性格が笑いを引き起こすという特徴からこの単語に現在のユーモア(笑い)という意味が加えられたんだと思う。
これは日本でいうと血液型による分類に近いんではないかと思う。つまり、A型は計算高くO型は大雑把でB型はマイペース…といった具合に。
それでたとえば、血液型によるコントを作ると、こんなのができる。
A型
「O君、君がコピーした書類ね、このすみのここ、ここにシミがついているのだがね」
O型
「え?なんかありますか?僕にはみえないけど。まあ気にならないからいいんじゃないすか」
A型
「気になるのだよ、わたしは」
O型
「誰も気にしませんよ、ふつうは。だいたいAさんは細かすぎるんですよ。だからみんな。あ…」
A型
「み、み、みんながなんなんだね。」
O型
「あ、いや…」
A型
「そ、そうか。あーそうなのか。じゃあB君に聞いてみようじゃないか。私が細かすぎるのかどうか、彼に聞いてみようじゃないか。な。おいB君。このシミね、見えるだろ。このシミについて、君はどう思うかね」
B型
「はい。四国の形をしていると思います」
まあとにかく、こんな風に体液にあらわされるような典型的なキャラクターが物語に登場してユーモア世界を形作る、とこういうのがイギリス文学のユーモアの伝統にはあるわけ。
それで話を『The House at Pooh Corner』に戻すが、このプーさんの生きる世界(100エーカーの森)は、まさに上記のような典型的なキャラクターたちで溢れているのだ。
超がつくほどマイペースなプー、小心者のピグレット、やたらリーダーシップを取りたがるラビット、なぜか常にいじけているイーヨー、などなど。
この辺のキャラクターの性格を意識しながら読んでいくと、いくつかのページで笑える本的爆弾が仕込まれているので要注意。
なお、もちろんこれだけメジャーな本だったら訳本もいくらでも入手できると思うけど、むしろこの作品は英語で読まないと面白くない気がする。
それは一つに、英語的な笑いが結構あるというのがあるが、それ以上に「そのときプーさんはこういいました」なんて口調で読んだんじゃちっとも面白くないから。
英語としては、舐めてたら読めないよ、レベル。
難しくはないけど決して楽勝ではないので、英語の勉強や洋書の入門にいいかも。
同シリーズ1冊目の『Winnie-the-Pooh』も合わせておススメ。
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