笑える本を読もう! >
宮沢章夫のエッセイ【書評一覧】 > 牛への道
ひょんな経緯でであった一冊。
説明すると長くなるのでかなり割愛するが、平たくいえば「今、初めてこのブログで紹介しているのに、なぜかすでにamazonアソシエイトで2冊も売れている」というのがこの本との奇妙な出会いだ。この笑える本を読もう!からamazonに飛んだ人が、ここで紹介されていた本とは別に買ったものらしい。
紹介していないのに2冊も売れるとは、これはいかに。
つまり笑える期待度が高いってことだろう。へい。
ってことで本屋に勇んで向かい立ち読みしてみたのだが、どうもこれはダメだ。
危険すぎる。
「まえがき」の自動販売機で何を押してもスポーツドリンクが出てくるエピソード。これだけでかなりの危険度なのだ。
そんなわけで立ち読みはダメ!ゼッタイ!
それにしても、またしても演劇関係者だ。
すでにこのブログでは、大人計画の松尾スズキ(小説・エッセイ)、夢の遊眠社の野田秀樹(エッセイ)、リリパット・アーミーの中島らも(小説・エッセイ)らを紹介している。
そして今回はラジガジ…ガジベリ…ラジガジベリベン…とにかく、なんとか(ラジカル・ガジベリビンバ・システムです)の宮沢章夫だ。もしかすると演劇に携わる人間と笑える本の間には何か関係があるのかもしれない。
そういえば、日常に眠る「へんてこ」をほじくり返して面白がるところとか、上記全員に共通しているといえそうだ。『牛への道』本文の言葉を借りれば、「犬を見る目つきで世界を見つめている」人たちだ。
さて、『牛への道』の内容はというと、2~4ページという短いエッセイがごっそり収録された一冊だった。
「靴下をずりおろし、足の半分に引っ掛けた状態」や「無心に牛乳瓶をみつめる男」など、独特な視点から「犬を見る目つきで」世の中の「変」に突っ込みを入れる。
友人の大人計画主催松尾スズキが、「あんたたち大人なんだから」と叱られた話しなんかがよかった。
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土屋賢二のエッセイ【書評一覧】 > われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う
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作品名: われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う 作家名: 土屋賢二 ジャンル: エッセイ 笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★ 楽:☆☆☆☆☆☆★★★★ ス:☆☆☆☆☆★★★★★ 危:☆☆☆☆☆☆☆★★★ 土屋賢二の他のエッセイ |
哲学者土屋賢二の爆笑エッセイ『われ笑う、ゆえにわれあり』シリーズ、二冊目。
土屋賢二はとにかく、すきあらばギャグを入れてくる。
「はじめに」のページから最後のページまで、とぼけてとぼけてとぼけきる。
気をぬいていると気づかずに流してしまうほどにギャグの密度が高い。
内容はというと、「わたしのギョーザをとって食べた人へ」や「わたしのボールペンをとった人へ」などタイトルからもいかにも哲学者の風格を思わせる…セコい論考「とった人へ」シリーズ、賛美すればするほどひどくなる「女性を賛美する」シリーズ続編の「女性を徹底的に賛美する」などなど。
特にイギリス滞在を題材とした「カモと宝くじとホーキング博士」「不完全なイギリス英語」がよかった。弱冠省略しつつ引用――
とにかくイギリス人の中には、自分達が世界の中心にいるという中華思想をもっている人がいて、あさはかにも
「地図を見てみろ。イギリスが中心にあるだろうが」
と高言し、人間はすべて英語をしゃべるものだと思い込んでいる。もちろん、これはごく一部の人だが、このような笑うべき無知に対しては、本当は日本が世界の中心だという事実をおしえなくてはならない。
普通ユーモアエッセイというと気軽な読み物として認識されがちだが、土屋賢二のエッセイの場合、ユーモアが過ぎて決して「気軽な読み物」とは思えない。
ここまでとぼけきってこられると、なんだか読みごたえがすごいのだ。
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