いまをさかのぼること100年前に書かれた書物だが、いまでも十分に笑える一冊。
いまでいうと何かっぽいなとしばらく考えていたんだけど、どうも本とかではなくて、インターネット的面白さがあったような気がする。たとえばtumblrを眺めているときの面白さに近い。
平たくいえば名言集のようなものか。
辞典というだけあって、単語の解説がA~Zまで延々と掲載されている。
ただし、どれもブリティッシュユーモア独特のアイロニーたっぷりで。
Aの項目からごく一部を抜粋--
ABATIS 【逆茂木】
外部のがらくたが内部のがらくたの邪魔をするのを防ぐために砦の前面におかれたがらくた。
ACCUSE 【責める】
他人の非行やくだらなさを断定する。その者に濡れ衣を着せることにたいし自己を正当化するものとして、もっとも普通に行われる。
ADHERENT 【門人】
学ばんと心に期したる一切のことを未だに習得していない心奉者。
ADMIRATION 【賞賛】
他人が自分自身に似ているのを礼儀正しく認めること。
AQUAINTANCE 【知り合い】
お金を借りるくらいの面識はあっても、お金を貸すほどはよく知らない人のこと。
ずっとこの調子。外部のがらくたが内部のがらくたの邪魔をするのを防ぐために砦の前面におかれたがらくた。
ACCUSE 【責める】
他人の非行やくだらなさを断定する。その者に濡れ衣を着せることにたいし自己を正当化するものとして、もっとも普通に行われる。
ADHERENT 【門人】
学ばんと心に期したる一切のことを未だに習得していない心奉者。
ADMIRATION 【賞賛】
他人が自分自身に似ているのを礼儀正しく認めること。
AQUAINTANCE 【知り合い】
お金を借りるくらいの面識はあっても、お金を貸すほどはよく知らない人のこと。
読むというより、とりあえずカバンにいれといて、出先のトイレ(大)などでぱらっといいかげんにページを開いて、たはは、と笑うのが正しい読み方かな。
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笑える本を読もう! >
栗田有起の小説【書評一覧】 > ハミザベス
当ブログでは直球勝負のギャグ小説からゆるーいユーモア小説まで、さまざまなタイプの笑える小説を紹介してきたつもりだ。が、今回紹介する栗田有起の「ハミザベス」は、なんというか、読んだことのないタイプの笑える小説だった。「笑える」具合が他に類をみない感じなのだ。
どう新しいか、というのは、僕が読んでいたときの心境を書くと分かりやすいだろう。例えばこんな感じ。
「ぶっ。ははは、手タレ、手タレ、はははは、手タレだってよ、ははは・・・。あれ、これってギャグ・・・だったのよね?」
たぶんギャグだったはずなのだ。そして全体としても、物語の随所にギャグがちりばめられていたはずなのだ。しかし、あまりにもそのギャグが物語に溶け込みすぎているため、笑ったあとに、はて今のは笑ってよかったのかしら、と不安になってしまう。
ユーモアにまったく気張りがなく、これっぽっちも「どや顔」をしない。それは「ゆるい」とも「クール」とも違う奇妙なユーモアのあり方だった。
そもそも物語りの設定がおかしい。
「死んだと思っていた父が本当に死んで、突然遺産を相続することになった主人公」
よく考えたらぜんぜんわけがわからない。「死んだと思っていた父が本当に死ぬ」ってなんじゃそりゃ。
そしてその後主人公は遺産としてマンションとハミザベスという名のハムスターを相続するのだが、そのストーリーの核心的部分がこりゃまたまったくとんでもない設定になっている。
そこが一番面白いところなので何なのかはここでは書かないが、直球勝負のギャグ小説でもここまでめちゃくちゃな設定は少ないぜ、ほんと。
しかし、それを読者が自信を持って笑えないほどに、そのめちゃくちゃさが物語に溶け込んでいるのだ。
読者に笑ってよいのか迷わせるという、斬新な笑える一冊。面白い。
追記:
合わせて収録された「豆姉妹」がまた面白い。こっちもとぼけているが、「ハミザベス」よりも笑える度がぐっと高い。おススメ。
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