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鮫肌文殊のエッセイ【書評一覧】 > 放送作家のススメ
鮫肌文殊、といわれてもぴんとこないかもしれないが、実は「電波少年」「ぐるナイ」「ASAYAN」「ハンマープライス」など、誰でも一度は見たことがあるであろうテレビ番組を手がけた、気鋭の放送作家なのだ。
本の内容は、小説仕立てになっていたり、番組企画書(ネタ)が掲載されていたりで境界が曖昧なのだけど、主に自身がテレビ業界に入ったときのことや、テレビ業界について語られたエッセイとなっている。
テレビ業界に生息する人々がいかに奇妙キテレツであるかがよくわかる一冊で、タイトルどおり、放送作家になりたい人には大変興味深い内容なのだと思う。
ちなみに僕のように興味がない人でも軽い感じのギャグエッセイとしてアハハと笑える一冊だった。
ところでこの鮫肌文殊という名前は、僕にはとても馴染み深い。
実はこの人は中島らもの古くからの友人で、中島らものエッセイなんかにしょっちゅう名前が出てくる人なのだ。
とはいえ当時はまだ放送作家ではなく、「ゲロをピューと吐くパンクスの高校生」として紹介されていたりするのだけど。
この『放送作家のススメ』が文庫化されたのが2005年秋で、らもさんが亡くなって1年くらいあとのようで、あとがきや松尾貴史による解説などでもそのことが触れられている。
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山本昌代の小説【書評一覧】 > 居酒屋ゆうれい
小さな居酒屋を営む壮太郎。
若くして妻を亡くしてからぼんやりと日々を送っていたところ、兄からの勧めで再婚の話しが持ち上がる。
病床の前妻しず子と再婚はしない約束をしていたのだが、結局再婚を選び、新妻里子と幸せな生活を送る。
そしてしばらくは幸せな日々がほのぼのと過ぎていた。
しかしある晩、なかなか寝付けない壮太郎の枕元に、死んだはずのしず子の霊が立つ。約束をやぶられた恨みによって化けて出たのだ。
と、ここまではまあ、よくありそうな幽霊話。
しかしなんだか様子が違うのは、この化けて出たしず子の幽霊らしくなさと、彼女を目の当たりにした壮太郎と里子の恐怖心のなさなのだ。
まるでおどろおどろしい感じがない。
しず子はただ「いる」だけで特に何をする様子がなく、というよりも死んだことがあるという点を除けば完全に普通の人。
一方壮太郎たちも始めこそ腰が抜けていたものの、すぐにしず子に慣れてしまい、里子にいたっては「姉さん姉さん」と慕ってしまう有様。
かくして亡きはずの妻と新妻とその亭主との奇妙な共同生活が始まるのだ。
特になんとはなしに幽霊がいるおかしさ。
ヘンテコな話でちょっとだけクスリ。
サブタイトルとして「ゆうれいのいる生活」と付けておきたい小説。
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