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景山民夫の小説【書評一覧】 > クジラの来る海
地球に突如作られ始めた数多くのミステリーサークルの謎に迫る「地球防衛軍、ふたたび」、特に観光の見どころのない町に「クジラ」を偽装する役員たちの姿を描いた、表題作「クジラの来る海」、雑誌の特集を組むために霊能者を集めることでえらいことになってしまう「霊能者たち」、など11話が収録されたユーモア短編集。
景山民夫は、まあなんというか、スピリチュアルというか、そっち方面のね、いやまあ何を信じるかは自由というか、いいんですけどね、楽しければ。
ただまあ、やっぱりなんかちょっと香ばしいというか、まあ積極的に嗅ぎたくない匂いもあるといえばあるわけで、やっぱりしれっとした感じで参考文献にわざわざ大川隆法の名前が挙げてあったりすると、作品とは別のなにか香ばしさがね、まああるといえばあるわけですよ。
ノストラダムスです。
そんなわけで11話の中には、ちょっと別の部分が気になって素直に楽しめない話もあるので、ちょい注意。90年代にはいってすぐに入信したらしいので、まあそれ以降はなんかそんな感じなのかな。
ところで最初に収録された「地球防衛軍、ふたたび」を読んでいておったまげた。
二〇一〇年代になって…略…ここ二年ばかり、……前世紀に”世界の警察官”をもって任じていたアメリカが、中東戦争のツケが回って経済的にドン底に落ち、それに加えて北米大陸で次々に起きた天変地異、……止めの一撃として、チリ沖海底火山の噴火を発端にした地殻変動で……
1994年に書かれた本になぜこれだけのキーワードが!
まあ偶然にキーワードが重なって的中しちゃってるように見えるだけなんだけど、なにせ90年代の景山民夫には、ノストラダムスを現代に降臨されたかの大先生がいらっしゃるわけだから(まあいいんだけど)、人が人だけに、もはや予言に見えてしまうのでした。
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景山民夫の小説【書評一覧】 > 普通の生活
小説家にして放送作家、景山民夫の初の掌編小説集。
野田秀樹のエッセイなんかを読んでいると、うーんこれはエッセイと書いてあるけど小説じゃないの、とよく悩むのだけど、この『普通の生活』はまったく逆で、掌編(小説)と書いてあるけど、これはエッセイじゃないのかと悩む感じだった。
少なくともフィクションではなく、景山民夫自身の実体験をもとに書かれた掌編小説集のようだ。(※と思っていたら、wikipediaにはエッセイと表記されている。うーん、やっぱりエッセイなのかな。しかしエッセイというにはあまりに物語なんだよな)
っま、とにかくその辺の境界は極めて曖昧。内容はエッセイ、語り口は小説、と思っていただきたい。
内容はそのタイトルとは裏腹に、「普通の生活」などどこにも書かれていない。
主にヨーロッパの長期滞在や海外でのできごとが描かれており、現地で調達したボロ車での放浪旅や、飲み屋で飛び込みでバンド演奏させられた話、言葉の分からん国で60歳の娼婦に迫られた話など、「普通」ではなかなか経験できないできごとが30話収録されている。
笑える本としては、序盤はイマイチかなと思っていたけど、途中からノッてくるのでそこまでの辛抱。
けっこうフリチンやウンコネタがあるのに、なぜかキザな30話の掌編小説。
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