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大槻ケンヂのエッセイ【書評一覧】 > 綿いっぱいの愛を!
作品名: 綿いっぱいの愛を! 作家名: 大槻ケンヂ ジャンル: エッセイ 笑:☆☆☆☆☆☆★★★★ 楽:☆☆☆☆☆★★★★★ ス:☆☆☆☆☆★★★★★ 危:☆☆☆☆☆☆★★★★ 大槻ケンヂその他のエッセイ |
芝居は集団生活、お笑いは上下関係が基本だから大変、ラップは覚えるのが難しい。僕はさまざまな仕事を20代にやってみたけど、ボンクラの性分に一番合うのはやっぱロックだよ。何しろ昼まで寝てられる。
【書評・あらすじ】
久方ぶりの更新。いつぶりかと調べたら4月ぶりだった。確か今年の抱負に月2更新とか言ってたけど無理でした!いかんせん本読む暇と気力がないのだ。更新はこうして地味に続けるけど。
さて、久方ぶりの更新はオーケンのエッセイ。
オーケンが39歳ごろに連載されていたエッセイを集めたもので、筋肉少女帯脱退の混乱からやや立ち直り、特撮としてバリバリやっていた頃のようだ。話の中で中島らもの追悼の話題などもあるので、2004年ごろに連載されていたものと思われる。
なお、本のタイトルにもなっている「綿いっぱいの愛を」は特撮の楽曲のタイトルに用いられたものだが、以前当ブログでも紹介した短編集『ロコ思うままに』で小説化もしている。当時(今も?)オーケンは怪獣ブースカの人形を「家族として」溺愛するという気色の悪いことをしていたらしく、綿いっぱい=人形のことだ。
本全体の印象としては典型的な「オーケンの本」といったところ。格闘技とロックと下ネタで9割、あとの1割は『学研ムー』といった感じ。ファンだから読めたけど、そうでない人にはどうなのかな。よくわからん。
一番印象に残ったのは、筋少時代と特撮でキーボードを担当する奇人、三柴理(江戸蔵)のエピソードだ。なんでも高校時代にモテモテで人気者の同級生「かつのり君」からビリージョエルの曲のピアノ伴奏を頼まれたのだが、クラシック以外は音楽ではないという信念から、イントロの伴奏だけ弾いてステージから退座してしまったらしいのだ。でこの「かつのり君」というのがのちの高橋克典だったというのはなかなかよくできた話だと思う。
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有吉弘行のエッセイ【書評一覧】 > お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ「生き残りの法則50」
作品名: お前なんかもう死んでいる 作家名: 有吉弘行 ジャンル: エッセイ 笑:☆☆☆☆★★★★★★ 楽:☆☆☆☆★★★★★★ ス:☆☆☆☆☆★★★★★ 危:☆☆☆☆☆★★★★★ 有吉弘行のその他の本 |
この本は、夢や希望、明るい未来を期待してるヤツらに現実を見せてやる本です。
【書評・あらすじ】
長いから上では割愛したけど、本書には「プロ一発屋に学ぶ『生き残りの法則50』」というサブタイトルがついている。有吉の芸能界返り咲きの経緯があるので、この「生き残り」というのは読む前は「芸能界の生き残り」のことかな程度に思ってたんだけど、そんな生易しいものではなかった。
本書では有吉が猿岩石でアイドルとなり、世間から見捨てられ空白の7年間を過ごし、再起を果たすまでのことが書かれているんだけど、その中で繰り返し述べられているのは「ホームレスになるしかないという恐怖」とか「断食4日目の限界の空腹」などだ。
本書の「はじめに」の中で有吉自ら「よく死ななかったな」と書いていることからも分かるとおり、つまりどうやら本書のテーマは”○○の”という縛りのない、人生をドロップアウトしないための文字通り「生き残りの法則」なのだ。
その法則というのは通常の自己啓発系の本とは趣旨が大きくことなり、「金は天下の回りもの、はウソ(使っても自分には回ってこない)」「上を向いて努力するくらいなら小銭を拾う努力をしろ」「夢とか希望よりも金」「奢らせる後輩に慕われるよりも奢ってくれる先輩に取り入れ」等々、とにかく今の自分の財産や仕事は将来的に必ずなくなるのだから、夢を見て転職なんか考えるな、今ある仕事や金を大切に、といったものだった。
上を向いているから死にたくなるのであって、下を向いて優越感に浸りながら生きるほうが楽だよといったもので、一度地獄を見た有吉らしい考え方だと思う。
さて、有吉の本をわざわざ買うにあたって、読者がやはり気になるのは猿岩石から「おしゃべりクソ野郎」までの「空白の7年間」をいったい有吉がいかに過ごしていたかだろう。
しかし結論を言ってしまうが、その7年間には「何もなかった」というのが答えらしい。
というのもどうもその期間は、道行く人に「あいつ、今仕事ないんだぜ」といった陰口を叩かれるのを恐れて、ほとんど部屋に引きこもっていたらしいのだ。
たまに『あの人は今!?』みたいな番組に呼ばれてテレビに出たときについて「芸人特有の面白い話が起きないんですよね、家の中でじっとしてるだけなんで」なんてことが書いてあったけど、「空白の7年間」の期間の描写はまさにそんな印象だった。
つまり語られるべきことが何もないという印象だ。引きこもりの期間って記憶があいまいだったりするけど、当時については有吉もそんな感じだったのかもしれない。
まあもっとも、公民館にタダのお茶を飲みに行ったついてでに老人たちに優越感を抱いたり、風俗嬢の出待ちをしてやけにモテたり、先輩から金をせびったりとエピソードはいろいろとあるんだけど、いわゆる「芸人的面白いこと」がおきない。「無」の印象だ。
全体的に笑いの要素はかなり少なめ。もっともはじめからそんな意図で書かれちゃいないんだろうけど。
後輩が撮影した「有吉様の洗脳ビデオ」や歌をカセットに吹き込んだだけの「生テープ」をファンクラブツアーに集まった人たちに売りつけた話、復活後に年収の話になって有吉の方が年収が多いことを知り「帽子投げつけてキレ」た上島竜平の話などがよかった。
帽子叩きつけるのは私生活でもやってたんだね。
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