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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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作品名: 勇気凛々ルリの色 満点の星
作家名: 浅田次郎
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
浅田次郎その他のエッセイ
【書評・あらすじ】
 浅田次郎人気エッセイシリーズ『勇気凛凛ルリの色』の最終巻。 同シリーズは週刊現代4年間にわたって連載されていたエッセイをまとめたもので、この一冊には1997年~1998年に連載されていた分が収録されている。
 その当時、浅田次郎は短編集『鉄道員(ぽっぽや)』で直木賞を受賞したばかり。その際の騒動が大いに語られていた。
 連載が始まった当初はほとんど無名の作家だったらしく、第1巻『勇気凛々ルリの色』の最初の項では、この週刊現代の連載の話は実はワナで、喫茶店にのこのこ打ち合わせに行ったところを某団体の刺客にやられるのではないかと疑心暗鬼になっていた。まあそれがあながち完全にネタとはいいきれないのが浅田次郎という作家の特異なところではあるのだ。
 それがこのエッセイの連載が書かれている4年間のうちに『地下鉄に乗って』で吉川栄治賞、『鉄道員』で直木賞受賞、誰もが認める人気小説家となった。
 そんな浅田次郎の軌跡を奇しくも辿ることになったエッセイシリーズ。最終巻となるこの巻では超多忙を極める人気作家浅田次郎の日常が赤裸々に描かれていた。

 取材のため世界を飛び回り、締め切りに追われ、3つの出版社と広告会社と航空会社とJRとJRAによって組まれた奇跡のようなオートメーションに乗せられて殺人的なスケジュールをこなし、巨額な税金に泣く。現直木賞受賞作家として張り詰めた日々を送り、「新直木賞作家」発表のその日、ようやく大任から解放されると喜んでいたら、まさかの「該当作なし」。
 直木賞作家の冗談のようでマジな毎日を綴ったエッセイ。

 それにしてもこの人、相変わらず言うことがかっこいい。この本からもいくつか名言集に引いているので要チェック。

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笑える本を読もう! > さくら剛のエッセイ【書評一覧】 > インドなんか二度と行くか!ボケ!!

作品名: インドなんて二度と行くか!ボケ!!
作家名: さくら剛
ジャンル: 旅エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆★★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆☆★★
さくら剛その他のエッセイ
【書評・あらすじ】
 実はこの本、当ブログ開設して間もないころにおススメのメールをいただいていた一冊だったりする。
 もうかれこれ1年半も前になるだろうか。長い潜伏期間を経て、ようやく読むことができた。おススメくださった方どうもありがとう!面白かったです!
 なお、おススメの笑える本をご存知の方は、こちらのページのメールフォームからご連絡いただけると泣いて喜びます。今回がいい例で長いこと読めないこともありますが、かならず参考にさせていただきます。

 それはそうと、なぜこんなに潜伏期間が長くなってしまったのか。実は事情があるのだ。
 というのも何と出版社がアルファポリス出版なのだ。
 アルファポリスとは、ブログを登録しといて、そのブログが一日1500人に閲覧されたらブログを本にしてもらえるという出版サイトなのだ。それで恐らくこの『インドなんか二度と行くか!ボケ!!』も元々はブログかなにかだったものが、そうして書籍化されたのだろうと思われる。
 それでとにかく僕は新品で本を買うことをしない上、この本の場合なにせアルファポリス出版。発行部数が多いとはとても思えない。ブックオフはおろか、一般の本屋でも入手困難。買うならamazonしかあるまい、という一冊なのだ。
 というわけで、気になりつつもこの本を買うことはあるまいとてっきり諦めていたのだ。

 ところが先日あるブックオフに行ったところ、まったく信じられないことだが、しれっと文庫コーナーに見つけてしまった。しかも折も折、その日ブックオフは文庫コーナー半額セールという大盤振る舞いをしていた。
 それで信じられないことに、150円であっさり買えてしまったのだった。
 やはり僕はブックオフの神によほど好かれているらしい。

 それで本の内容はというと、筆者の元お笑い芸人(志したことがある程度)さくら剛がインドに行ってであったインド人たちとのふれあいを綴った、愛と友情と感動…は一切ない、嘘と偽りと金儲けに奔走するインド人への怒りと怒声に満ちた一冊だった。
 リクシャに乗れば必ずといっていいほど目的地ではなく旅行会社と絨毯工場と宝石工場に連れてゆかれ、車窓を眺めれば熊に襲われるおっさんを目撃し、乗り合いバスでは見知らぬインド人のおっさんに手を繋がれて6時間。
 そんな縦横無尽、自由すぎるインド人に、英検3級の筆者が果敢に挑む。
 結構ボロクソ言ってたりするけど、結局この人、インドとインド人が大好きだってことは伝わってきた。っていうか本編終了後、もう一回行ってるしね。
 総ページ数400ページほどあるので一見長そうに思われるかもしれないが、そこは元テキストサイト。フォントいじりやなんやでさらっと読めてしまう。
 感じとしてはちとした反逆罪じゃの掲載の「珍道中」とよく似ている。ずいぶん話はスモールワイドではあるけど。つまり、テキスト系サイトに書かれた旅行記、という点で両者はそっくりなのだ(とかこつけて自分のサイトを宣伝)。

 ところでこの本を調べている際、「この本はインド人への差別、冒涜」という文章を見かけた。どこだったか失念。しかし差別ねえ。
 その人、例えば同じ内容でアメリカ人がネタにされてたとしても、同じこといえるかしら。
 異民族のすることが変でおかしく見えるのは当たり前のことで、それは相手がアメリカ人でもインド人でも、大いにツッコミ入れて、大いに笑っていいはずなのだ。
 しかし不思議なことに、アメリカ人を笑ってもお咎めはないが、アジアの国の人たちをバカにすると途端に差別差別と怒られる。なぜアメリカはよくてアジアはダメなのか。
 インド人を笑うことが差別だという発想は、考えの根底に「インド人は劣る」という前提がないと生まれないように思う。
 むしろ差別意識とはそういう「善意」の中に忍び込んでいるものだよ。

※さくら剛の旅行記はサイトでも読むことができる。この本の元となったふりむけばインディアンと、中国への旅行記(※南アフリカから)中国初恋がある。ものすごいボリュームなので時間にゆとりのあるときに、また吹き出すこと必至なので一人でいるときに読みたいものです。

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