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爆笑問題のその他の本【書評一覧】 > 爆笑問題の戦争論
日本史原論シリーズの一つ。
日清戦争から第二次世界大戦終結まで。明治以降の「戦争」くくりで書かれた漫才風エッセイ。
基本的に田中(全部太田が書いてるんだけど)が歴史的背景を説明しつつ、太田がそれについてボケる、というパターンで話しが進む。
しかし第二次大戦という未だ整理のつかない過去がテーマだったためか、いつもの太田の切れ味が薄い印象が強かった。田中(全部太田が書いてるんだけど)の説明も他のシリーズに比べてシリアスで詳しく書かれているためか、教科書的ニュアンスが強い。
あるいは逆に、僕にとってそのテーマが生々しすぎて素直にギャグを笑えなかっただけなのかもしれない。
それにしても以前からこれは言ってきたことだけど、この日本史原論シリーズは大変勉強になる。
というか近代史の勉強そのものといってもいいかもしれん。
僕の記憶では、世界史、日本史の教科書で、近現代はさほど大きくあつかわれていなかった気がする。それはおそらく、この時代の歴史を語るということが、そのまま誰かの主義思想を語ることを意味するからだと思う。どんな言い方をしても、どこかでバイアスがかかってしまう。だからなかなか自信を持ってこの時代はこうだったと明記できない時代なのだ。
実際この本でも言葉を選んでいる箇所がとても多かった。
しかし教科書が嫌がるその近現代の戦争史にあえて焦点をあてて、しかもそれを漫才形式でやったところに価値がある一冊だと思う。
太田自身「かなり辛かった」と語っているが、それでも「笑い」で勝負したところがえらい。
ところでまったく関係ないけど、この本で田中が爆笑問題のリーダーであることを初めて知った。ただし田中をリーダーと決めたのは太田なのだそうだ。
ほんと、この二人の関係性ってどうなってんだろ。まあ仲良さ気だから見ていてほほえましいけど。
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ナンシー関のエッセイ【書評一覧】 > 夜間通用口 テレビ消灯時間3
ナンシー関2冊目。
98年7月から99年8月に連載されていたもので、当時のテレビおよび芸能界をばっさばっさと明快に解説してくれる。
時代としては、反町がGTOのドラマやったり、郷ひろみが「アーチーチーアーチー」がってたころだ。それからXのTOSHIがMASAYAから「バケモノアゴ男」と言われたか言わされたかしてばっちり目覚めちゃってたころだ。
時代はまさに世紀末。
ナンシー関の本は連載当時にひざを叩きながらなるほど!なんて納得して読むのがさぞ楽しかったろうと思う。ただこうして時代を経て、今読み直すのも一つの正しい読み方なのかもしれないと思う。
というのも、ナンシー関があまりにも先見の明がありすぎて、書いてある内容が半ば予言じゃないかとびっくりさせられることがしばしばあるからだ。
特に本書収録の「頼むからしまっとけ、ヤワラちゃん」がすごい。
備蓄米のCM「たくわえちゃん」(当時タワラちゃんが出ていた)を見たナンシー関は、ヤワラちゃんこと田村亮子の笑顔が、「お年頃の女性」として若い異性向けられたものではなく、「自慢の孫」としておじいちゃんおばあちゃんへ向けられていることを指摘する。
そしておじいちゃんおばあちゃん人気を取り込んでいることが、「何か、ものすごくツブシが利く感じがある」のだという。
そのヤワラちゃんの様子を見て、ナンシー関はこのようなことをいうのだ。
「単なる私の予感だが、選挙出そうだし、ヤワラちゃん」
出たよ!
しかも当選しちゃったよ!
出馬しても金よ!
やはりナンシーの読みどおり、おじいちゃんおばあちゃんでツブシが利いたのだろうか。なんだかとってもそんな気がする。
と、このように結果を知っている今、ナンシー関の鋭い読みを楽しむというのもなかなか一興。
ひとつの予言書として楽しもう。
ところで本書の中で原千晶の今後がしきりに心配されているんだけど、たしかにほんと、原千晶ってどこに行っちゃったんだろうか。
追記:
今調べたら、原千晶、アロマインストラクターになってました…。
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