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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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作品名: マシーン日記 悪霊
作家名: 松尾スズキ
ジャンル: 脚本

笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆★★★★★
ス:☆☆☆★★★★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
松尾スズキその他のジャンルの本
【書評・あらすじ】
 96年から01年にかけて上演された舞台2作品の脚本。
 白水社の帯によると「性愛を軸とした男女の資格関係が渦を巻き、いびつな『家族の肖像』を描き出してゆく」2作品なのだそうだ。なるほど、よく言い当てている。
 いずれの作品も登場人物は4人だけで、松尾スズキの十八番とでもいうべきか、かなり壊れた人たちを描いたギャグ演劇。全編アングラな雰囲気で、意味は不明な点が多く、後味はすこぶる悪い。ただ、笑える。各キャラクターのセリフは、もうほんと、松尾スズキは天才だと認めざるをえない可笑しさ。
 以下あらすじ(にもならないけど)。

マシーン日記
 舞台は兄弟であるミチオとアキトシが経営する工場。
 登場人物はミチオとアキトシ、アキトシの妻サチコ、そして兄弟が営業する工場のパートのケイコ。
 弟のミチオはかつてサチコを強姦したことがある。その強姦ののち、なぜか兄のアキトシはサチコと結婚した。それが理由なのか、ミチオは足かせをつけられ部屋に監禁されている。
 そんな3人が働く工場に、サチコの中学時代の担任だった体育教師ケイコがなぜかパートで入ってくる。
 ケイコはサチコが中学校で絶望的にいじめられたとき、サチコを救ってくれたはずの教師だった。しかし教師だったケイコがなぜ町工場に?
 そんな4人の交錯した愛欲が描かれる作品。

悪霊
 舞台はタケヒコの実家の裏庭。
 登場人物はタケヒコ、ハチマン、タケヒコの婚約者のナミエ、タケヒコの母キメ。
 タケヒコとハチマンはお笑いコンビを組んでいる。
 タケヒコとハチマンのコンビは順風満帆で、近いうち看板番組を持たせてもらえることになっていた。
 しかしそんな折、タケヒコは事故にあい、半身不随、舞台への再起は不可能となってしまう。このコンビはタケヒコの才能でもっていたようなものだったので、ハチマンは一人になると芸人としては役立たずだった。
 タケヒコとその妻ナミエ、そしてそこにハチマンが交わったり、キメと同じ顔をした召使ホキが交わったりして、これもまた交錯した愛欲が描かれる。

 もうだめだ。あらすじを思い出そうにもストーリーが思い出せない。つい昨日読み終わったばかりなのに。
 というかなまじっかストーリーを書いてしまうとネタバレしてしまう気がする。
 なんというか、小さなどんでん返し、意外な事実の告白が重なっていたのだ。
 なので下手にかけないからもう書かない。
 セリフが可笑しいよ。

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作品名: 百円シンガー極楽天使
作家名: 末永直海
ジャンル: 長編小説

笑:☆☆☆☆★★★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆★★★★
末永直海その他の小説 
【書評・あらすじ】
 二束三文のギャラと、ステージのおひねりでなんとか口を糊しているドサ周りシンガーたち。
 そんなドサシンガーの一人、夏月リンカがこの物語の主人公。
 ステージではキンクレコード専属の歌手ということになっているが、実はそんなところに所属はしてない。ついでにそんなレコード会社はない。また、ステージ年齢は26から24、22と順を追って次第に若返ってゆくが、実年齢は34歳だ。客とのトークで年齢がばれないよう、干支のチェックは欠かせないが、22なら干支が一周してちょうどいい。
 恋人は「西川口の夜の帝王」、リンカはその妾だ。とはいえ夜の帝王こと大樹は家にはちっとも帰らずリンカの部屋にいりびたっている。喧嘩っぱやく優しい男だ。
 歌手としてはこれといった夢も目標もなく、ついでにオリジナル曲もない。そのためステージでは人の曲のコピーだけを歌うしかない。
 それでもリンカはドサ周りシンガーとして誇りを持って生きている。
 ついさっきまで赤の他人だった客が、自分の歌に魅せられて思わずおひねりを出す。そんな歌手としてのあり方に惚れたのだ。
 ときにドサ仲間や恋人との間での諍いに心を痛めながら、ときにメジャーデビューへの誘惑に揺れながらも、リンカは今日もすれっからしな「百円シンガー」としてステージに立つ。

 主人公の心の機微を描いた良作。ドサ周りシンガーという共感しにくい設定なのに、とても共感できる作品だった。
 町田康がエッセイの中で紹介し「非常に笑える」と褒めていた小説だったので長いこと探していたんだけど、ようやく読めました。

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