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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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作品名: 耳部長
作家名: ナンシー関
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆★★★★
ナンシー関その他のエッセイ
【書評・あらすじ】
 やはりオール6。
 いや、これは悪い意味ではなく、むしろいい意味で。
 ナンシー関の本はいつもオール6だ。
 オール6と書いて安定感と読みたい。

 さて、ナンシー関の本は基本的に角川から出されている「何が~」シリーズしかないものと思っていたんだけど、朝日出版からもシリーズとして出されていたのだね。
 題して「耳~」シリーズが数冊あるようだ。
 しかしまあ内容は角川のシリーズと微塵もかわることないんだけど。
 ナンシー関の楽しみ方は、リアルタイムであればそれが理想的でとんでもなく面白かったことが想像できる。
 テレビを見て感じているほのかな違和感をこれほど明確に言葉にしてくれる人がいるわけだから、それはかなりの快感だったろうと思う。
 しかし2002年に逝去してしまっているのでその夢はかなわないわけだ。
 そんなわけで今われわれができる楽しみ方としては、その時代その時代、テレビでいったい誰が目に付いたか、換言すれば「癇に障るほど活躍していた」かを想像しながら楽しむのがベストだと思う。

 そしてこの「耳部長」が連載された時代(97~99年)、特に癇に障るほど活躍していたのは、佐藤藍子とヒロミだろう。
 今では2人とも根元からぼっきりと翼がもげてしまっているけど、確かに世紀末によく見かけた2人な気がする。
 佐藤藍子に関しては、19歳(当時)にしてベテラン然とした「自分が受け入れられることへの確信」が指摘されている。確かに佐藤藍子って昔からテレビに出ていたというイメージ(だけ)があったと思うけど、むしろ当時まだ10代だったということが驚きだ。アンビリバボーのメイン司会なんかもしていたのでてっきりベテランなのかと思い込んでいた。
 一方のヒロミについては「兄貴的存在になろうとしているその途中経過が今のヒロミ」といったことが言われている。
 ヒロミは確か2004年ごろまで兄貴然としてテレビに出続けていたけど、マチャアキになれなれしくしすぎたとかで「発掘!あるある大辞典」から干されたのを機に急転落。姿を消した。
 兄貴路線ではとんねるずやダウンタウンの浜ちゃんと同じ狙いだったんだろうけど。やり方がうまくなかったのかね。
 今ではそんなあるある大辞典も消え、諸行無常、盛者必衰の理を表していることだなあ。

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作品名: 親ゆび姫×占っちゃうぞ
作家名: 宮藤官九郎
ジャンル: ドラマ脚本
笑:☆☆☆☆☆★★★★★
楽:☆☆☆☆☆★★★★★
ス:☆☆☆☆★★★★★★
危:☆☆☆☆☆★★★★★
宮藤官九郎のドラマ脚本とか
【書評・あらすじ】
「宮藤官九郎TVシリーズデビュー作」
 そんな見出しが帯にでかでかとつけられたドラマ脚本集。 
 しかし「親ゆび姫」と「占っちゃうぞ」…。そんなドラマあったかしら?
 僕もそうだけど、おそらくこれらのドラマのことが記憶に残っている人は少ない。
 というのもこの2本のドラマ、深夜枠で細々と放送されていたうえ、特に話題になることもなく終わったドラマなのだそうだ。「占っちゃうぞ」にいたってはビデオ化さえされていないそうだ。
 そんなドラマの脚本がなぜ、と思うかもしれないが、これはあれだ。明らかに木更津キャッツアイとかIWGPの人気を受けて、それに便乗する形でとりあえず出されたような本なのだ。
 古本屋で100円で購入。まあ100円ならいいか。

 さて内容。
 いずれもコメディを交えつつ、しかし最終的に気味の悪い話に発展する、といった、確かに深夜枠に地味に放送していそうな内容のホラー作品になっている。

親ゆび姫
 クラスの人気者祐一にひそかに思いを寄せるさえない女の子、冴子(栗山千明)。
 家族からも村八分にされるような鋼鉄女だったため、恋などしたことがなく、話しかけることさえできずに後をつけたりバイト中の様子を影からのぞいたりしていた。
 しかしあるとき佐久間というおかまから、願いがかなうという赤い液体をもらう。
 その液体が入った小瓶をおまもりに、勇気を出して冴子は祐一に告白をするのだが、そのフラれ具合はなんというか完膚なきまで、といった感じ。フォローのしようがないほどにフラれてしまう。
 そして傷心の冴子はその場で赤い液体を祐一にかけてしまう。
 すると驚いたことに(ってタイトルから察しがつくんだけど)、祐一は4センチほどに体が縮んでしまっていたのだった。
 かくして初恋の人を手に入れるという「願い」がかなった、冴子。
 冴子と祐一のホラーな生活はここから始まる。

占っちゃうぞ
 タンバリンを振り回しておどり未来を占うという「タンバリン占い」で一山あてたマリ。
 今は伝説の占い師としてその名を馳せている。
 しかし実はヤクザな芸能記者マキオからネタを売ってもらっていたに過ぎず、その正体はかつて「亀戸のピーター」(女なのに)と呼ばれた売れないキャバレーダンサーに過ぎなかった。
 そんなマリの元に、彼女を崇拝する少女ナオミが現れる。
 はじめはアシスタントとして雇えというナオミを軽んじていたマリであるが、しばらく過ごすうちに、むしろナオミが本当の超能力者であることに気づく。
 そしてマキオを切り捨て、ナオミの能力を使ってさらに占い師として大成しようと考えたマリは、ナオミを監禁状態に置くのだった。
 かくしてやはりなんだ、ナオミとマリのホラーな生活が始まるのだね。

 とこのようにとにかく、双方コメディタッチで始まるにも関わらず、ホラーな生活に突入するといった感じのお話が2話収録されている。
 面白いかどうかと問われたら疑問詞を掲げざるをえない一冊。
 ドラマは面白かったのかな?記憶にある人もしいたらコメント欄に自慢してってください。

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