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松尾スズキの小説【書評一覧】 > 同姓同名小説
「信じてほしいんだ。みのが、みのであるために、これを見せた。逆に聞きたいのよ。俺、みの?これ、みの?どっちが、より、みの?」
【書評・あらすじ】
芸能人・有名人と同姓同名(という体で明らかに本人がモデル)のキャラクターたちが登場する短編集。
みのもんた、ピンクレディ、川島なお美、上祐さん、竹内力、広末涼子、そして松尾スズキ自身、など変人が集まる芸能界の中でさえ一際「浮いた」人たち(と同姓同名の人たち)の物語。
公園でみのもんたを拾った青年とみのの間に芽生えた愛の話(「みのがみのであるために」)、竹内力がごきげんように出演するまでの周囲の葛藤と感動(「力の魂」)、保田圭が突如「わたし」の元にやってきて、モニの人事異動がわたしのセックスに関わっていることを明かす(「モニとわたし」)、他10篇。
明らかに浮いた人を主人公に、浮いた作家、奇才松尾スズキが描く。
シュールな笑いが好きな人にはたまらないし、そうでない人にとっては苦痛になりかねない一冊。
独特すぎて、笑えるけどかなり好き嫌いがありそう。
そんなわけで人におススメ度は低めにしてある。しかし個人的にはかなり好きな作品だった。はっきりいってシュールすぎてわけは分からないが、そこがたまらなく大好きだ。
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松尾スズキの小説【書評一覧】 > クワイエットルームにようこそ
作品名: クワイエットルームにようこそ 作家名: 松尾スズキ ジャンル: 長編小説 笑:☆☆☆☆☆☆☆☆☆★ 楽:☆☆☆☆☆☆☆☆★★ ス:☆☆☆☆☆☆☆☆★★ 危:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 松尾スズキその他の小説 |
永遠の不毛。それが今宵のメインイベント。
【書評・あらすじ】
目を覚ますと、そこは精神病院だった。
理由を聞かされぬままに閉鎖病棟に担ぎ込まれた明日香と、それぞれの事情を抱えてそこに閉じ込められている患者たち。
閉鎖病棟の中で日々巻き起こる事件を経るにつれて、明日香がそこに担ぎこまれるにいたった真相が徐々に明らかとなる。
美醜の時限をはるかに越えているのに、なおも食べるのを拒み続ける拒食症患者たち。
キ○ガイを相手取るうちに心が凍りついたナースたち。
そして自分だけは正気であると信じていて、しかし実際にその場にいなければならない理由を抱えた主人公。
このようにテーマは重い。
舞台は精神病院という現代人の心の闇が集約したようなシチュエーションで、しかも明らかにテーマもそこに照準が合わせてある。
しかし、断言する。
誓って、これは爆笑小説だ。
それも、僕がこれまで読んできた本の中で1番の笑える小説だといってもいい。
精神病院という場所を描く上で、そこに描かれる人々をギャグとして描く。その危険は誰もが認めるだろう。いつでも「倫理」がしがみついてくるから、善意という言葉につまずいて、普通の作家にできることではない。
人の生と死、それも「命の大切さ」なんて薄っぺらな言葉では語りつくせない核心をついた物語。それをあえてギャグとして表現する能力。恐らく日本の作家で、この異形な偉業が許されるのは、松尾スズキただ一人ではないかという気がする。
優れたギャグを一部引用しても仕方がないので、とにかくここでは、本を読んで笑いたければこの本を読んでくれ、としかいえない。
僕に「笑える本好き」を自認させてくれ、そしてこのブログを立ち上げるきっかけを与えてくれた一冊。
また松尾スズキが自ら監督した映画(DVD)も、映像ならではのギャグなんかがあって面白いので合わせてみるべき。 ちなみに僕は、この本とDVDをセットで入院中の友達にお見舞いで持っていったツワモノ。入院生活している人に閉鎖病棟を疑似体験させてどうするんだ! |
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