笑える本を読もう! >
中島らもの小説【書評一覧】 > 水に似た感情
テレビ番組の撮影でバリ島へ行ったときの出来事を元に書かれた、半ノンフィクション小説。
らもさんは躁鬱病もちだったということなのだけど、この撮影でバリへ行った際に躁転してしまったのだという。その際の凄惨な様子はエッセイ『西方冗土』のあとがき(チチ松村、こっちも抱腹絶倒なので読むべき)に詳しい。
そしてこの小説の半分は、躁状態で書かれていたのだとか。らもさん自身があとがきで語っているけど、前半は躁状態で、後半は通常(つまり鬱)の状態で書かれているので、「この本はふたつに分断している」という印象がある。
ストーリーとしては、特になんちゃあない。チチ松村と中島らも自身をモデルとした主人公達がバリ島にロケに行くのだが、そこに用意されていたテレビクルーがダメでダメで。そんなテレビクルーの尻を蹴りながら、バリの神秘を回る…といったもの。
しかしなんちゃあないはずなんだけど、なぜか異常に面白いのがこの小説の魅力だ。
形容しがたい魅力に満ちた一冊。
『永遠も半ばを過ぎて』と並んで、らもさんの小説の中で最も好きな小説。おススメ。
PR
SHARE THIS!!! |
笑える本を読もう! >
筒井康隆の小説【書評一覧】 > 日本以外全部沈没
|
小松左京の『日本沈没』のパロディ、「日本以外全部沈没」を含む11話が収録された、ドタバタ短編集。
日本以外が全部沈んで世界中のセレブが乞食(おっといけない、筒井読んだせいで差別用語が)のようにそこらじゅうでうろうろしている日本を描いた「日本以外全部沈没」、農協ツアーの凄惨さを皮肉った「農協月へ行く」など。
面白かったけど、60年代ごろの事件が元になっているネタが多いので、正直リアルなものとしていまいちピンとこない部分もあった。冷戦とか学生運動とか。
それにしても差別用語が多い。ドキドキするほど多い。
のちの断筆宣言への経緯がはっきり分かる一冊だと思った。
まあむしろ差別用語として指定された言葉のほうが明らかに多すぎるんだけど。
SHARE THIS!!! |
Recommend
松尾スズキ (小説)
クワイエットルームにようこそ
中島らも (エッセイ)
中島らものたまらん人々
町田康 (エッセイ)
猫にかまけて
奥田英朗 (小説)
ララピポ
森見登美彦 (小説)
夜は短し歩けよ乙女
クワイエットルームにようこそ
中島らも (エッセイ)
中島らものたまらん人々
町田康 (エッセイ)
猫にかまけて
奥田英朗 (小説)
ララピポ
森見登美彦 (小説)
夜は短し歩けよ乙女
Sponsored Link