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中島らもの小説【書評一覧】 > ロカ
中島らも未完の遺作。
「近未来小説」と銘打ち、自身をモデルにしたという68歳の作家小歩危ルカが、仲間と出会うことで自分の中の熱いものを取り戻す様子が描かれている。と書くととても青臭い感じっぽいけど、決してそんなことはない。テーマは、欺瞞に満ちた世界への反逆。そのままロックのような小説だった。えーと、そう書くとまた青臭いような感じがするけど、まあ、そんなことはないのだ。
キャラクターがいずれも魅力的で、特に山口富士夫がモデルと思われるクレオがいい。伝説のギタリストとして名を馳せ、人と群れるのを嫌い、議論を嫌う。そんなクレオがあるときこんなことを言う。「おれだってさ、バカじゃないんだから議論に加われない訳じゃないんだ。本だってまあまあ読んでるしな」
実は議論嫌いの僕としては、なんだか胸のすっとするようなセリフだ。世の中は無駄に専門用語を使いたがったり、分かったようなことを言いたがるようなやつが多すぎる。まあどうでもいいけど。
わくわくさせるストーリー展開、物語の複線が幾重にも張り巡らされ、そしていよいよそれらの仕掛けが一気に爆発しようとする。しかしまさにそのとき、物語はぱたりと幕を閉じる。
エンターテイナー中島らもの最高傑作だったんじゃないか。
この作品を未完に終わらせた中島らもの罪は重い。大麻所持なんかよりずっと。
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爆笑問題のその他の本【書評一覧】 > 爆笑問題の日本史原論
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作品名: 爆笑問題の日本史原論(日本史原論、偉人編) 作家名: 爆笑問題 ジャンル: 漫才形式 笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★ 楽:☆☆☆☆☆☆★★★★ ス:☆☆☆☆☆★★★★★ 危:☆☆☆☆☆☆☆☆★★ 爆笑問題この他の漫才本 |
日本史に必ず出てくる歴史的人物たちを、爆笑問題がコント形式で解説する。笑いながら日本史の勉強になるという、一冊で二度おいしい本。
ちなみに『日本史原論』と『偉人編』をまとめて紹介してしまったけど、あまり意図はない。
2冊はきっちり別の本です。
まず『日本史原論』は時代別に日本の歴史とできごとがたどってある。縄文時代に始まり大化の改新、戦国時代、などを経て、大正、昭和までを大雑把に網羅している。
一方で『偉人編』は、できごとではなく、歴史上の人物に着目したもの。豊臣秀吉、ヤマトタケル、吉田茂、松尾芭蕉、源義経、坂本竜馬など、時間的にはアトランダムに、歴史上の偉人たちについて語られている。
歴史なんて取っ掛かりだろうから、この本で好きな人物・時代を見つけて日本史の苦手意識をなくす、というのもありじゃないかと本気で思う。特に僕は世界史・日本史が大の苦手だったから、もうちょっと、あと10年ほど早く出会いたかった2冊。
お子さんの教育にいかがでしょう。
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