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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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作品名: 耳のこり
作家名: ナンシー関
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆★★★★
ナンシー関その他のエッセイ
【名言・みどころ】
梅宮アンナが私たちの前に姿を現してから、もうどれくらいたつのだろう。最初は「プレイボーイ羽賀研二の次なるお相手は梅宮辰夫の娘」という文脈であったことをはっきりと覚えている。主語は梅宮アンナではなかった。

【書評・あらすじ】
 さて、ナンシー関連投2冊目。
 2000年ごろからナンシー関が急逝する2002年まで連載されたコラムをまとめたもの。
 時代としては「稲垣メンバー」、野口吾郎&三井ゆり結婚、木村拓哉&工藤静香できちゃった結婚、小泉内閣、EE JUMPのユウキ。
 最後のはなんだか名前を挙げるだけで泣ける。
 2冊はしごした感想としては、やはり共感できる話題が多いほうが面白い。そんなわけでナンシー関ビギナーはできるだけ最近に書かれたコラム(つまり急逝した2002年のもの)をえらぶと良いでしょう。
 つまりビギナーは本書が買いです。

 さて、先ほど紹介した『何もそこまで』でもヤワラちゃんがナンシーから愛されてた(逆説的に)という話題を出したけど、もうこの頃になるとヤワラちゃんへの溺愛ぶりがすごいのなんの。
 もっとも90年代の勘違いの怪物山田邦子が失墜したのがこの頃で、二分していた(屈折した)愛情のすべてがヤワラちゃん一身に注がれたわけだからそれもまた仕方のないことなのかもしれない。
 しかしこのころのヤワラちゃんが凄すぎたのも事実だ。
 当時はなんと言ってもヤクルトの谷との熱愛が発覚したのがでかかった。このニュースはあまりにも衝撃だったもの。
 そしてこの状況下、確かにヤワラの勘違いは顕在化しており、谷との関係を尋ねられ「えー、何とお答えすればいいんですかね」(亮子の声で再生)と答えてみたり、ヤクルトのキャンプに恋人面して参加してみたり…。
 そんなできれば誰も見たくないタワラちゃんの恋愛事情を示す挙動を、どうもタワラ本人が「サービス」のつもりでやっているきらいがあるのが何よりナンシーの気にさわったようだ。いや、すごくよくわかる。
 普段ヤワラちゃんというと、この呼称自体僕は納得いかないのだけど、恐らく自分で自分をこう呼び始めたわけではないだろうから、「なでしこジャパン」と同様に仕方なくゆるすとして、このネーミングからもわかるように、メディアおよび不特定多数の国民から手放しに愛されるべき存在がヤワラちゃんなわけで、まあもっとも不特定多数といったけど、本当にその多数が存在するのかどうかは僕は知らないけど。
 とにかくそんなある種皇族的な存在タワラの「調子こき」を「こうですよね」とばっさり斬ってくれるナンシーのコラムはやはり痛快の一言。
 同様のものに、欽ちゃん世界の哀しさ、キムタクの痛さ、などが挙げられるだろう。いずれもこのコラムに収められているのでご一読願いたい。

 ところでナンシー関で検索すると予測ワードで「ナンシー関 マツコデラックス」という組み合わせがあるようだ。
 そういえばマツコももの書きをしているようなので、もしかするとナンシーのようなコラムを書いているんだろうか。その辺は気になることとして今後機会を見て検証してみたい。
 ただ、確かにナンシーのコラムを読んでいると、テレビで見るマツコと姿が重複する気がする。
 読者(視聴者)を納得させるだけの切れのある観察眼と毒舌。確かに似てるかも。ナンシー関を説明するときは「マツコデラックスが本当に女だった版」と説明すると便利だ。
おススメ記事:ナンシー関の名言集
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作品名: 何もそこまで
作家名: ナンシー関
ジャンル: エッセイ

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆★★★★
ナンシー関その他のエッセイ
【名言・みどころ】
10年後、ヤワラちゃんは選挙に出ていると思う。

【書評・あらすじ】
 とうとうやってしまった。というほどのことでもないが、ナンシー関のコラムを2冊はしごしてしまった。
 旅先でちょっと読み物を買いたいときなど、困ったときのナンシー頼みをよくする。
 今回は家から1冊ナンシーコラムを持って出かけ、さらに旅先で本を探すも特に読みたい本がない、といった具合になった。そんなときこそナンシー関の笑本!的抜群の安定感が発揮されるときなのだ。
 しかし今回はいよいよ安定感ゆえの問題が浮上したの事実。というのも、ブッカァフ(僕は英語教員なのでBOOK OFFをこう読んでいるのだ。うそ)でナンシー関の在庫と対峙したとき、果たして自分がどのコラムを持っていて、どれが既読でどれが未読なのかさっぱりわからないという不測の事態に陥ってしまったのだ。
 タイトルを取ってもこの「何~」シリーズが10冊以上あり、しかも内容はどこを切っても金太郎飴のように芸能界・テレビなのである。どの本がどれなのかもはや記憶だけでは判別不可能なのだ。
 そんなわけで、わざわざケータイでこのブログをチェックし、記事がない本を探すということをすることになった。
 しかし昨今はブッカァフで買った本をヤフオクで転売するということをしている人がいるらしく、ネットのオークションでの売値をケータイで逐一チェックしながら古本を探すのだとか。そしてそれを禁止するブッカァフもあるとかないとかいう話を聞いたばかりだったので、ただでさえブッカァフに長く滞在しがちな僕としては普段から僕は万引き犯ではありませんよ、カバンの中に入っている本も御社の某店舗で購入したものであり私の身は潔白でございますよといったことを考えながら本を探さなければならないのに、その上に転売する気もございませんよ、私は右頬を打たれたら左も差し出すタイプの万引き犯ですよっていうかうるせえよおめえなめんなよこの娼婦の息子の豚野郎!といった心理状況まで追い込まれることとなるのでその辺はまあ困ったものだなと思っています。

 さて、わけのわからない前ふりをいつまでも書くわけにはいかないので残念ですが本の紹介を少し。
 このコラムが連載されていたのは95~96年ごろ。時代としては映画『Shall We ダンス?』が放映され、「マジカルバナナ」が流行り、ドラマ『未成年』と『ピュア』が話題となり、山田邦子がどういうわけか女性高感度No1だった頃。
 現在31歳の僕が中学生だったくらいか。

 実はナンシー関は案外なあなあな感じで芸能人を斬ることが多い。誰でもバサバサいっちゃうイメージがあるけど、実は一刀両断するような切り方をすることはさほど多くないのだ。
 むしろ烈火のごとくに槍玉に挙げられる芸能人のほうが少ないくらいなんだけど、その少数派に長年属し、長きに渡りナンシーに逆説的な意味で愛されたのが山田邦子とヤワラさんの2人だったりする。
 「世間の勘違い」と「本人の勘違い」があいまって産み落とされた90年代の怪物、といった趣の2人ではある。
 この本でもこの2人のネタは常連として出てくるのでこうご期待。読んでいて痛快。

 ところで、ナンシー関はコラムの中でしばしば予言めいたことを言う。
 このコラム集では池谷幸雄を指して「オリンピックほどツブシが利くもんはないだろう」なんてことを言っていた話題があったんだけど、その締めの一文で本当に唐突に、冒頭に引用した一言を言っている。
 いっとくがこの記事が掲載されたのは95年10月である。 95年といえばアトランタオリンピックよりも前で、ヤワラちゃんがまだ「金を目標にがんばる柔道少女」だった頃の話だ。
 そしてご存知の通り、2010年5月、ヤワラさんは民主党から出馬したのだけど、あの柔道(だけがとりえの)少女ヤワラちゃんの姿に選挙への出馬を見出していたというのはちょっと凄すぎないか。
おススメ記事:ナンシー関の名言集
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