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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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作品名: 黄昏のカーニバル
作家名: 清水義範
ジャンル: 短編小説集

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆☆★★
清水義範その他の小説
【書評・あらすじ】
【あらすじ・ひとこと】
 SF雑誌に連載していたものをまとめたSF短編集。得意のパスティーシュも用いず、シリアスな内容が多めの正統派サイエンスフィクションとなっている。
 笑える話としては「デストラーデとデステファーノ」がおススメ。
 この話に関していえばほとんどエッセイで、序盤はライオンズで活躍したデストラーデと中日の足を引っ張るだけだったデステファーノという似たような名前の二人の助っ人外人(1990年当時)の話がつらつらと書かれている。しかしこの二人の助っ人外国人の話は、読者と筆者の間にあるタイムラグの話を導き、最後に短めの時間に関するSFで締められる。しゃれてる。
 それにしてもこの「デストラーデ~」で語られる筆者と読者の間にあるタイムラグに関する項では思わずどきっとさせられた。
 ずっと未来にこの本を読む読者にとって、私の文章なんてまるでセピア色に変色した写真みたいな感じなんだろう、と語るくだりで清水はこういう。「えっ。写真がセピア色に変色するってのがどういうことかよくわからんのですか」
 さらに話は、VHSの画像が悪くなるのと同じことだ、という説明をした上で、こう続く。「えー。VHSって何のことかわからんわけですか。ビデオもそっちにはないんですか」
 本当にどっちもなくなってしまった。
 執筆当時(1990年)にはなくなるとは思われなかったろう写真とビデオは、どちらもデジタル化し、変色、劣化などしなくなってしまった。
 恐らく、冗談で書いたんじゃないかと思うんだけど、まるで予言みたいでドキリとした。

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作品名: Catch-22
作家名: Joseph Heller
ジャンル: 洋書・小説

笑:☆☆☆☆☆☆☆☆★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆☆☆★
この他の笑える洋書 
【書評・あらすじ】
 第二次大戦下の空軍が舞台。軍隊生活の不条理さを描いた作品。
 タイトルの『Catch-22』とは、気が狂えば除隊が許されるが、気が狂ったことを自覚する奴は正常だと記された条項のこと。つまり気が狂ったと報告しても除隊は許されず、本当に気が狂ってしまった奴は何も考えずに戦闘に出るので、結局誰も除隊できない、という罠(catch)が仕掛けられているのだ。
 現在ではこの小説上の意味から、逃げ場のないジレンマやパラドックスを抱えた状況を意味する慣用句となっているそうだ。
 該当箇所はココに引用したので気になる人はどうぞ。

 ところで、第二次大戦や軍隊と聞くと、なにか仰々しい印象を受けるかもしれないが、さにあらず。
 はっきりいって爆笑小説。それもギャグのために丁寧に複線が張り巡らされた、とてもよくできた笑える小説だ。

 アメリカ人って利口なイメージがあるじゃない。だってあの難しい英語をあれほど流暢に話すんだから。こちとら10年必死に勉強してもろくに喋れないってのに、あいつら3歳児でも平気で英語喋るからね。おっどろいたね。利口だね。
 それで実際に文学史に載ってるような本を読むと、またクソ面白くもない話ばっかりじゃない(まあ文学史だしね)。それでてっきり僕は、利口なアメリカ人には松尾スズキみたいなバカなことを書ける小説家はいないのだ、と諦めていた。
 しかしこの『Catch-22』は笑える。文学史に出てくるのに笑える、という稀有な作品なのだ。
 訳本としてはハヤカワから上下巻で出ている。が、言葉のリズムが違うのかイマイチ笑えない。やはり翻訳となると学者が負うところが大きいので、どうしても固い感じになってしまうのかもね。
 松尾スズキあたりのギャグの専門家に好きなように訳させてみてほしい一冊だった。
 そんなわけで英語ができる人はぜひ原文にチャレンジして欲しい一冊。
 英語はかなりの難しさ。ページ数的にも読み応えめちゃくちゃ大。

 訳本は以下の上下巻2冊。大きな本屋さんにさえたまにしか置いてないので、買うならamazonが無難かな。
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