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中島らものエッセイ【書評一覧】 > ロバに耳打ち
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晩年に出されたエッセイ。
「衣食住」というテーマで連載されていたというが、話題はもんじゃ、入院生活、象のノミなど多岐に及ぶ。
冒頭の「幼時の記憶」では自分が生まれるときの記憶が語られ(らもさんは生まれたばかりの頃に見た風景を記憶していたらしい)、その後幼少期に見たカカシに追いかけられる悪夢や、お父さんの手の込んだいたずら、映画館で見た映画のエロシーンの話等、序盤は自伝的要素が強い。
特に父親の話が印象に残った。
「あの日の風景」でらもさんの父が「今日亡くなった」とあるので、そのため父の回想が多かったのかもしれない。
幼少時代、息子を驚かすだけのために、出っ歯の入れ歯を作った歯科医の父の話なんか、なんともいい。
最後にらもさん自身によるいくつかの著書の解説と、「お悩み相談」が掲載されている。ファンとしては嬉しい。
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リリー・フランキーのエッセイ【書評一覧】 > 美女と野球
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作品名: 美女と野球 作家名: リリー・フランキー ジャンル: エッセイ 笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★ 楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★ ス:☆☆☆☆☆☆☆★★★ 危:☆☆☆☆☆☆☆★★★ リリー・フランキーその他のエッセイ |
笑えるエッセイ集。
大半がシモ、怪しい世界の絡んだ怪しい話、そしてシモでさらに怪しい話。
しかし、「オカンがガンになった」など、そのまんま『東京タワー』が始まってしまいそうなホロリとくる話もあったりする。
この一冊を読んで、リリー・フランキーの物の考え方、好きだなと思った。
「こーゆー人たちの描く絵」で、リリーは知的・精神障害者の扱われ方についてこう語る――「健常者だって不具者だって、絵の上手な奴もいれば、性格のヤな奴だっているでしょ」。この言葉は、知的障害を持った主人公を描いたドラマにおいて主人公が概して「いい人」として描かれること、そして精神病院の先生が患者の絵を見て「こーゆー人たちの描く絵っていいですよね」と言ったこと、という二つの出来事についてのコメントだ。
こうやって善人面をする人たちは、善意のつもりで、その人たちを無理やり大きな一つの枠に閉じ込めてしまう。差別意識ってむしろこういう逆の形で表れるものだと僕は思う。そんなわけで上のリリーの言葉に共感する。
ちなみに僕の好きな二人の作家が、これと同じような発言をしている。
中島らもは放送禁止用語の観点から、「(身体障害者を指す言葉をして)言葉を禁ずることで、その人たちの存在を否定している」といったことを言っており、松尾スズキは「障害者はいつも主人公として扱われるけど、本当はエキストラとしていていいんだ」といったことを言っている。
どれも好きな考え方だ。
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