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リリー・フランキーの小説【書評一覧】 > ボロボロになった人へ
作品名: ボロボロになった人へ 作家名: リリー・フランキー ジャンル: 短編小説集 笑:☆☆☆☆☆☆★★★★ 楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★ ス:☆☆☆☆☆★★★★★ 危:☆☆☆☆☆☆☆☆★★ リリー・フランキーの他の小説 |
しまった。
”小説家”リリー・フランキーを低く見積もりすぎていた。
いや、というか今まで彼の小説を一冊も読んだことなかったんだけど。だって、『東京タワー』があんな売れ方をしてしまって、なんか売れてるものってつまんないの多いから、イマイチ読む気になっれなかったのだ(追記:後日読んだらめちゃくちゃ面白かった)。
それでこの『ボロボロに~』も特に内容を確認せずにエッセイなんだろうと思って買っておいたんだけど、読んでびっくり、短編小説集だった。
そしてさらに驚いたのが、内容の面白さ。
都会ではモテないからと「農家」に嫁ぐ決心をした女、しかし女が見合いをしたのは大麻農家だった(「大麻農家の花嫁」)、ゴミ捨て場に捨てられていた美女と出会うことで少しだけ変わることができた3人の若者(「Little Baby Nothing」)他。
どの主人公もダメなやつばかりで、決して前向きにはなれない。だけど、今よりは「マシ」になりたいと思っている。リリー・フランキーの、ダメ人間へのやさしいまなざしを感じた気がした。
笑える話としては「死刑」がおススメ。
近未来、日本で罪を犯したものは、いかなる軽犯罪であっても必ず死刑に処せられるようになっていた。この時代、犯罪者が少しでも心地よく死ねるようにするのが弁護士の仕事となっている。
そんな時代のとある弁護士と犯罪を犯してしまった少年の物語。
ちょっとグロいけど、思わず声出して笑ってしまうような話でした。グロ笑です。
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奥田英朗の小説【書評一覧】 > マドンナ
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中年サラリーマンをテーマにした短編小説が5話収録された短編小説集。
妻子もちなのに新しく配属された部下にほのかな恋心を抱いたり、ウーマンリブがそのまま具現化したような女上司にムカつきながらもなんやかんやでちぇっなんでえって思ったり。
なんかすごくよく分かる、って感じの話ばかり。まあ僕はサラリーマンじゃないんだけど。
特にこの一冊はそうだと思うんだけど、奥田英朗の作品は「笑える」というより「ユーモラスで面白い」と表現したほうが合うかもしれない。
外れがないという意味で安定感がある。
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