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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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作品名: むかつく二人
作家名: 三谷幸喜
ジャンル: ラジオ本

笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
三谷幸喜のその他の本
【名言・みどころ】
学年っていうのは生涯を左右するものですからね。「同学年」っていうだけで何か心開いた感じしますけど、清水さんは二つ上だからもう閉じまくってます。

【書評・あらすじ】
 2014年、あけましておめでとうございます。昨年はなかなか本を読む時間が捻出できず月1程度しか更新できなかったので、今年の抱負は月2更新、年間24書評を目標にがんばります。
 ことしもまったりとよろしく。

 年をまたいで久しぶりに三谷幸喜のトーク集を読んだ。以前同様の本を読んだのは対談集の「きまずい二人」で、2011年の2月のようだ。何気に3年も経ってて驚く。
 この「むかつく二人」は、三谷幸喜と清水ミチコの二人がパーソナリティをつとめる、現在も放送中のラジオ番組Making Senseの放送を本にまとめたもの。その番組はホームページでもダイジェスト版を視聴可能で、ポッドキャストなどもあるようなので興味があれば。ちなみに本の中で「オペラ歌手のモノマネみたいな感じ」「米良美一の顔マネ」と評されているホームページのトップ画像だけでもみておくべきかも。

 さて、元はそんなラジオ番組のやりとりなんだけど、読み物としてみたときには、漫才原稿のような面白さがあった。
 ひたすらめんどくさいおぼっちゃまのボケ(三谷幸喜)と頭が切れて口が達者なツッコミ(清水ミチコ)。この二人のかみ合っているようでかみ合っていない(かみ合っていないようでかみ合っている、かも)会話はなかなか笑える。
 以前に読んだ「きまずい二人」のほうは実は対談集としては微妙で、現に僕は当時感想として「対談集と銘打ちながら、相手からここまで何も引き出さないものも珍しい。タイトルどおり本当に三谷が気まずそうにしているだけで、とにかくうっすーい会話なのだ」と評している。というのもこの対談集の目論見が、人見知りな三谷ができるだけ気まずそうな人と対談しようというところにあったようなので、当然といえば当然の結果なのだけど。
 しかしこの「むかつく二人」は対談集(?)としてきちんと面白い。三谷が非常にリラックスして好き勝手に話しをしているのが文字からも伝わってくるようで、よほど清水との相性がよいのだとわかる。
 実際清水とは椎名林檎などを交えいっしょにカラオケに行くほどプライベートでも交友があるようだ。

 内容としては特に三谷が劇団仲間の「伊藤君」の葬儀を演出した話しが印象に残る。
 劇団仲間たちのスピーチのリハーサルの際、「その話はやめよう」「それおもしろいからそれ生かそう」などと指導して、本番は「本当の泣き笑いっていうのはこういうものなんだってみんな思ったくらい」いい葬儀になったのだという。
 ただし「彼(伊藤君)の一番好きだった曲を流して見送ろう」と流したのが「デイ・ドリーム・ビリーバー」で、その曲が明るい曲だった分、耐えられないほどつらくなってしまい、今でもこの曲は聴けないのだという。

 この本の元となったラジオ番組Making Senseはいまだ放送されており、このラジオ本もシリーズ化されているようなので見逃せないな。
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作品名: マンハッタンラブストーリー
作家名: 宮藤官九郎
ジャンル: ドラマ脚本
笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆★★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
宮藤官九郎のドラマ脚本とか
【名言・みどころ】
ご覧の通り太めだけどね、痩せてる頃の写真見たら可愛いの、俺はそっちが本当の姿だと思ってるから、今は仮の姿だから……おい聞けよ!

【書評・あらすじ】

 2013年も年の暮れですが、なんと言っても今年はクドカンの1年でしたね。当ブログでもクドカンのエッセイの売れゆきがよかったです。そしてとうとう念願のあまちゃんの脚本が発売されたようなので、さっそくamazonで注文してしまいました。じぇじぇじぇじぇっじぇじぇー。
 さて、そんな宮藤官九郎人気に乗じて、クドカン脚本の『マンハッタンラブストーリー』を。2003年に放送されていたドラマの脚本。にしても2003年が10年前ってちょっと引くな…。

「純喫茶マンハッタン」には妙な客が集まってくる。
 タクシードライバーの赤羽(小泉今日子)、振り付け師の別所(及川光博)、脚本家の千倉(森下愛子)、声優の土井垣(松尾スズキ)、女子アナの江本(酒井若菜)、そして船越英一郎(船越英一郎)。小泉今日子だったり松尾スズキだったり、何気に尾美としのりも出てたりと、なにかとあまちゃん(東京編)を思わせるメンツではあるね。
 そしてマスターはヒゲで寡黙。まるで「純喫茶」をそのまま絵に描いたようなマスターだ。
 しかし客たちは、マスターがせっかく丹精こめて入れたコーヒーにろくに口もつけず、マスターを「店長」と呼び、出前を取ったり、メニューにないナポリタンを注文したりしながら、好き勝手にそれぞれの恋模様を描いている。
 そんな客たちのあり方に心中穏やかではないマスターであるが、実はこのマスター(松岡昌宏)、ヒゲは付け髭、寡黙どころか客たちの恋模様にいちいち余計な口出しをしてしまうような、おせっかいな熱血漢だった。
 そんなマスターなものだから、店では純喫茶の寡黙なマスターを演じるために必死で声を出さないようにしているものの、内心では客たちの恋の行方が気になって仕方がない。そして密かに客たちの恋の相関図をつけたりしている気持ち悪いやつなのだ。
 そんなあるとき、相関図をつけていたマスターは、そこにある法則があることに気づく。
 赤羽のA→別所のB→千倉のC→土井垣のD→江本のE…。客たちの恋の矛先はAからアルファベット順に向かっているのだ。
 実は赤羽に思いを寄せるマスター、その恋の行方は。そして相関図のFはいったい誰なのか(船越です)。
 千倉が描く劇中ドラマ『軽井沢まで迎えにいらっしゃい』を交えながら、客とマスターの恋は転がる。

 とまあこんな話。
 さて、帯に「これこそが大人のラブストーリーだ!!」と書いてあるんだけど、不倫がテーマとして出てきたりはしたものの、「大人の~」だったかな?とふと疑問だった。
 しかしたぶんこれはつまり「誰と誰がヤッた」なんて気にするな、という意味だと思う。そこを気にしちゃうと素直に楽しめない作品なのだ。けっこうさくっとヤッちゃうよ。もっとも、簡単にやっちゃえば大人というわけではないんだけど、それを気にするのは大人の恋愛ドラマではないのかもね。
 それにしてもラブストーリーとはいえさすがクドカン。随所にコネタが仕込まれており、それがいちいち面白い。岩松了が「お母さん」役で出てきたのはやばかったな。
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