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田中啓文の小説【書評一覧】 > ハナシがちがう!
作品名: ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺 作家名: 田中啓文 ジャンル: 長編小説 笑:☆☆☆☆☆☆★★★★ 楽:☆☆☆☆☆☆★★★★ ス:☆☆☆☆☆☆☆★★★ 危:☆☆☆☆☆☆★★★★ 田中啓文その他の小説 |
この小説は、当ブログを見てくださったかたからおススメいただいた。
あまりにも嬉しくて、メールをいただいた次の日に本屋に走ってしまった。
居場所のない金髪トサカ頭の不良少年が、上方落語(関西の落語)の大家、梅寿のもとに無理やり預けられる。
酒飲みで何かといえばすぐに手が出るとんでもない師匠梅寿のもと、始めは反感を覚えるも、主人公の少年は徐々に落語の魅力にはまり込んでゆく。
と、筋を追っただけでもすでに面白そうなのだが、実際内容も面白かった。
中島らもの「超老伝」と似たほっかりした読後感。
それにしても、副題にあるとおり物語では探偵もの風の謎解きがいくつか描かれるのだけど、その「おまけ」感がすごい。
ミステリにほとんど固執せずにさくさくいってしまうのだ。
なんなら謎解きなしでもまったくストーリーに支障をきたさないような。
なお田中啓文については、現在『蹴りたい田中』という本が気になっている。
人を喰った感じで面白そうだ。
なお、Web上の評価を見る限り「つまらなかった」というものと「しょうもな」というものに二分されている。
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森見登美彦の小説【書評一覧】 > 四畳半神話大系
「腰の座っていない秀才よりも、腰の座っている阿呆のほうが、結局は人生を有意義に過ごすものだよ」
【書評・あらすじ】
むかし『もしも』というドラマシリーズがあった。
『世にも奇妙な物語』の後釜の番組で、いつかの選択でどのように人生が変わってしまったか、一つの物語に二通りの結末が用意されたドラマだった。
確か1クールで終わってしまったのであまり視聴率はよくなかったのかもしれないが、僕は気に入っていて、ノベライズ本まで買ったほどだった。
ところでこの『四畳半~』であるが、物語としてはまさに『もしも』を彷彿とさせる構成だった。一つの設定に則った短編集と思えばよいか。
高校までは華のない人生だったけれど大学ではきっと素晴らしい生活が、と胸躍らせる主人公の手元には、4枚のサークル勧誘チラシがある。
どのサークルに入ったかで彼の人生がどのように違ってしまうのか。
それを、大学のモラトリアムを描かせたら随一の森見登美彦が、バカらしくも愛らしく描く。
自意識、自己愛ともに過剰で、結果とてもひねくれたことになっている主人公。
彼を退廃の道へといざなった変人、野津。
そして彼らを取り巻くへんてこで魅力的なキャラクターたち。
この人の小説、好きだな。
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