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リリー・フランキーの小説【書評一覧】 > 東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
作品名: 東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ 作家名: リリー・フランキー ジャンル: 長編小説 笑:☆☆☆☆☆☆★★★★ 楽:☆☆☆☆☆☆☆☆★★ ス:☆☆☆☆☆☆☆☆★★ 危:☆☆☆☆☆☆☆☆☆★ リリー・フランキーの他の小説 |
僕は悲しい物語が苦手だ。
現実でもあまたの悲しいできごとがあるというのに、なんで小説を読んでまでさらに悲しい思いをしなければならないのか。
いくつもの苦しい別れがあるというのに、なんでわざわざフィクションでそれを再生産しなければならないのか。
だから僕は笑える本を読む。
くだらなくたっていい。人を感動させなくてもいい。
ロックやお笑いと同じように、本にも人を元気にする力があると思うから。
ところでこの『東京タワー』は、結末が一人歩きしており、小説を読んでなくても映画を見てなくても、多くの人が「オカン」の運命を知っている。
テレビか何かで大々的に紹介され、ほとんどの人が「これは悲しい話だ」ということを知っているのだ。
だからこれまでこの本を読まずに敬遠してきた。
しかし短編集『ボロボロになった人へ』を読んで以来、僕は小説家としてのリリー・フランキーを高く評価していたし、機会があれば『東京タワー』を読むこともやぶさかではないわ、と思っていた。
そんなある日、図書館で人を待つために3時間をつぶさなければならないことがあった。また、幸か不幸かその図書館は圧倒的に娯楽本に乏しく、さらにその乏しい選択肢の中には奇跡的に『東京タワー』があったのだ。
読むに絶好なお膳立て。
しかし読み始めてみて、僕はすぐに一つの問題に気づいた。
席についてパラパラとページをめくる。
パラパラパラ、ぷ、パラ、く、パラ、ふんぐ、パラ、ふんぐふふ、パラ、ぶぶっ。
冒頭の数ページで、こらえきれずに思わず吹き出してしまったのだ。
『東京タワー』は、図書館で読むには「超」がつくほど危険すぎた。
内容はというと、リリー・フランキーの半自伝的小説。
幼少期から現在に至るまでのオカンとの、あるいはオカンと暮らさなくなってからの出来事を、丁寧に丁寧に記してある。
おバカでユーモラスで、そして寂しい物語だった。
読み応えもかなりあって、よかった。
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町田康のエッセイ【書評一覧】 > 猫のあしあと
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町田康の名エッセイ、個人的にはあらゆるエッセイの中でも一番好きなエッセイ『猫にかまけて』の2作目。猫好きにはたまらない。
文庫化されるかブックオフの100円コーナーに並ぶまで買うまいと心に決めていたら、とうとうブックオフで見つけてしまった。
無類の猫好きである町田のもとに、猫関係のボランティアの人たちが次々と猫を連れてくる。
町田の希望としては、以前飼っていて亡くなってしまったヘッケの兄弟がいるなら保護したいと知らせていたのだけど、なぜかボランティアの人たちはとうていヘッケの兄弟とは思えない猫ばかりを連れてくるのだ。
そんなボランティアの人たちをして、つくづくと町田は思う。
「もしかして、俺って、なめられてる?」
笑って泣けるエッセイに、猫たちのかわゆい、またはブサかわゆい写真が合わせて掲載されている。
猫好きにおススメ。
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