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宮藤官九郎のその他の本【書評一覧】 > ゼブラーマン
バカ、安い風俗は都会の縮図なんだよ
【書評・あらすじ】
2010年、八千代市では1万頭のアゴヒゲアザラシが多摩川を上ってくるなど、謎の事件が多発していた。
主人公新市は、八千代市に暮らすしがない小学校教師だ。小学校3年生の担任をしているが、子どもたちを叱ることさえできないほどの小心者で、家族からは見放され、妻は浮気、娘は無断外泊、息子は暗い教師の息子ということで、小学校でいじめられている。そんな新市の唯一の慰みは、昔わずかな期間のみ放送された戦隊ヒーロー「ゼブラーマン」の衣装を作り、一人それを着ては部屋で楽しむことだった。このごろは部屋の中だけでは満足できなくなり、衣装のまま近所の自販機までジュースを買いに行ってはドキドキするようなことをしている。
ある夜、新市がゼブラーマンの衣装を着て思い切って街を徘徊しているとき、彼は偶然暴漢と遭遇する。そのころ市で話題となっていた、蟹の仮面をかぶった殺人鬼だった。その暴漢と会ったとき、新市は衣装の影響なのかゼブラーマンの力を発揮し、その蟹の暴漢を退治することに成功する。そして倒された蟹の仮面は、緑色の血を流して絶命する。どうも最近の謎の事件は、地球外からの力が影響しているようだ。
かくして新市は正義のヒーロー、ゼブラーマンとして覚醒し、八千代市の平和のために戦い始めるのだった。
2004年、哀川翔映画主演100作品目を記念して製作された映画の原作となる脚本。本書に掲載された哀川と宮藤の対談によると、哀川はほとんどの作品がR指定であるため、100作品目は子どもたちにも見に来いよと言える作品にしたかったという。また、宮藤に脚本の依頼する際には、人気作家であるためなかなか捕まえられないと踏み、官製はがきでじきじきに依頼したのだとか。
クドカンにしてはパンチのあるギャグは少なかったものの、ストーリーのテンポはよかった。
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