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三谷幸喜のその他の本【書評一覧】 > むかつく二人
学年っていうのは生涯を左右するものですからね。「同学年」っていうだけで何か心開いた感じしますけど、清水さんは二つ上だからもう閉じまくってます。
【書評・あらすじ】
2014年、あけましておめでとうございます。昨年はなかなか本を読む時間が捻出できず月1程度しか更新できなかったので、今年の抱負は月2更新、年間24書評を目標にがんばります。
ことしもまったりとよろしく。
年をまたいで久しぶりに三谷幸喜のトーク集を読んだ。以前同様の本を読んだのは対談集の「きまずい二人」で、2011年の2月のようだ。何気に3年も経ってて驚く。
この「むかつく二人」は、三谷幸喜と清水ミチコの二人がパーソナリティをつとめる、現在も放送中のラジオ番組Making Senseの放送を本にまとめたもの。その番組はホームページでもダイジェスト版を視聴可能で、ポッドキャストなどもあるようなので興味があれば。ちなみに本の中で「オペラ歌手のモノマネみたいな感じ」「米良美一の顔マネ」と評されているホームページのトップ画像だけでもみておくべきかも。
さて、元はそんなラジオ番組のやりとりなんだけど、読み物としてみたときには、漫才原稿のような面白さがあった。
ひたすらめんどくさいおぼっちゃまのボケ(三谷幸喜)と頭が切れて口が達者なツッコミ(清水ミチコ)。この二人のかみ合っているようでかみ合っていない(かみ合っていないようでかみ合っている、かも)会話はなかなか笑える。
以前に読んだ「きまずい二人」のほうは実は対談集としては微妙で、現に僕は当時感想として「対談集と銘打ちながら、相手からここまで何も引き出さないものも珍しい。タイトルどおり本当に三谷が気まずそうにしているだけで、とにかくうっすーい会話なのだ」と評している。というのもこの対談集の目論見が、人見知りな三谷ができるだけ気まずそうな人と対談しようというところにあったようなので、当然といえば当然の結果なのだけど。
しかしこの「むかつく二人」は対談集(?)としてきちんと面白い。三谷が非常にリラックスして好き勝手に話しをしているのが文字からも伝わってくるようで、よほど清水との相性がよいのだとわかる。
実際清水とは椎名林檎などを交えいっしょにカラオケに行くほどプライベートでも交友があるようだ。
内容としては特に三谷が劇団仲間の「伊藤君」の葬儀を演出した話しが印象に残る。
劇団仲間たちのスピーチのリハーサルの際、「その話はやめよう」「それおもしろいからそれ生かそう」などと指導して、本番は「本当の泣き笑いっていうのはこういうものなんだってみんな思ったくらい」いい葬儀になったのだという。
ただし「彼(伊藤君)の一番好きだった曲を流して見送ろう」と流したのが「デイ・ドリーム・ビリーバー」で、その曲が明るい曲だった分、耐えられないほどつらくなってしまい、今でもこの曲は聴けないのだという。
この本の元となったラジオ番組Making Senseはいまだ放送されており、このラジオ本もシリーズ化されているようなので見逃せないな。
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