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作品名: 超老伝 カポエラをする人
作家名: 中島らも
ジャンル: 長編小説

笑:☆☆☆☆☆☆☆☆★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆☆★★
ス:☆☆☆☆☆☆☆☆★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
中島らものその他の小説 
【書評・あらすじ】
 かつて、黒人奴隷が主人にかくれて戦う訓練をするために編み出された格闘技、カポエラ。
 足技のみで競われるというその特徴は、手を縛られていてもいざというときに闘えるように、また、まるでダンスのように太鼓のリズムに合わせて行われるその独特のスタイルは、主人の目をごまかすために進化したものなのだという。
 そんな黒人奴隷の憂いから生まれたような悲しき格闘技、カポエラ…。

 が、この小説はそんな悲しさとは関係なく、シンプルに可笑しい。
 カポエラを得意とする自称プロのキチガイ爺さん、菅原法斎。
 老年、妻に逃げられがっくりいくか、と思っていたら軍隊仕込の生活力を思い出し、庭でトカゲや蛇を焼いて喰うなど、思いのほか快適な生活を送る。
 そこへパンク少年、家出少女、巨人、なんかが転がり込んできて、彼を取り巻く環境はにぎやかに。

 常に超然としている爺さんのキャラクターが魅力的。
 各章ごとに登場人物たちの一人称の語りで物語が描かれていて、とても読みやすい小説。
 読後感ほっかりで、らもさんのよさがよくわかるユーモアに溢れた一冊だった。

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