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清水義範の小説【書評一覧】 > 深夜の弁明
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表題作「深夜の弁明」を含む16話を収録したショートショート集。
著者があとがきでいっているように、内容は、スポーツ解説者や小説家の書く旅行記、新聞の投稿欄などを模倣(パスティーシュというものらしい)したものが多い。基本的にはブラックユーモアの部類で、へっへっへとかふっふっふと笑ってしまう類のもの。
たとえば表題作「深夜の弁明」なんかはいい例で、原稿を「落として」しまいそうな若手作家が、数時間後に迫りくる締め切りを前にただひたすら反省文を書く、といった話だった。
ブラックユーモアでニヤニヤしてしまうこと請け合いだ。ただし、仕事等で締め切りのある文章を書く機会がある人には、身につまされすぎてまったく笑えないかもしれないけど。
とまあ大方ニヤニヤ笑いがこの本の基本的なテンションなんだけど、ただし、「三流ライター養成講座」は例外。
雑誌の「ライター養成講座」のコーナーに寄せられた読者からの投稿と、それらに付いた担当者の批評、という体で描かれるのだけど、ボケとツッコミといった構図ができていてべらぼうに笑える。
悶絶する恐れがあるため、本屋で立ち読み、移動中の暇つぶしには不向きだ。要注意。
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