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景山民夫の小説【書評一覧】 > トラブル・バスター3 国境の南
どうもご無沙汰。
ってほどでもないけど、4月より住所も仕事も大きくかわって、なかなかてんやわんやのフレッシュマンしてますよ。29歳でフレッシュマンってのもあれだけど、まあそれが当たり前の業界なのだ。そんなわけであわただしくも楽しい日々を送っています。イエイ。
さて、『トラブル・バスター3 国境の南』について。
景山民夫のトラブルバスターシリーズ第3作。
前2作は連作短編小説だったので、てっきりこの1冊もそうなのだと思って読んでいたけど、意外なことにガッツリ1話の長編収録だった。
シリーズですっかりおなじみトラブルバスターの宇賀神邦彦のもとに、こらまたすっかりおなじみ田所局長の「バカヤロー!」の一声と合わせてテレビ局内のトラブルが持ち込まれる。
メキシコロケの帰り、カメラマンの伊藤知広がVTRを持ったまま失踪してしまった。このままでは関東テレビの長寿番組「月曜トップ」に穴を開けてしまうのでなんとかしろ、というのが局長の命令で、なんとかならないと「関東テレビリゾート開発北軽井沢案内所の管理人に飛ばすぞ、わかったか、バカヤロー!」とのことだった。
まあここまではいつもの調子。
しかしこの作品を長編小説たらしめた問題は、そのカメラマンのパスポートを持った礫死体が発見されたことなのだ。人の死がからんでいる以上、手短に済ますわけにはいかないものね。
ところでこの事件の調査の折、宇賀神はカメラマン伊藤の娘瞳とチームを組み、協力しあって真相を究明することになる。この瞳がもう絵に描いたようなヒロイン。容姿端麗、聡明で何事にも物怖じしない。ハードボイルドに若くて賢くて可愛いヒロイン。これはますますもってジブリの『紅の豚』じゃないか。
おなじみのハードボイルドにヒロインの要素も加わって、いよいよ盛り上がってきた同シリーズなのであった。
ところでこのヒロイン伊藤瞳、時代の違いというのが露骨にでてしまっていて惜しい。
というのも、瞳のイメージが「ゴクミに似ている」と描写されているからなのだ。今となってはゴクミの女子高生を想像するのは極めて難しい。というか下手をするとゴクミを知らない読者も多い気がする。
そこでこのあたりは読者のコチラがうまいこと頭の中で好みのアイドルかなにかにイメージを変換しないといけないらしい。で僕は誰をイメージして読んだかというと、これはもうダントツで志田未来ちゃんだ。がんばれ未来ちゃん!おじさん応援しているぞ!
そんなわけで、長編だったので意表をつかれたけど、相変わらず本編から初刊本あとがきにいたるまで、隅々までハードボイルドな1冊だった。
同シリーズの『トラブルバスター』と『俺とボビー・マギー』を合わせてどうぞ。
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