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ナンシー関のエッセイ【書評一覧】 > 夜間通用口 テレビ消灯時間3
ナンシー関2冊目。
98年7月から99年8月に連載されていたもので、当時のテレビおよび芸能界をばっさばっさと明快に解説してくれる。
時代としては、反町がGTOのドラマやったり、郷ひろみが「アーチーチーアーチー」がってたころだ。それからXのTOSHIがMASAYAから「バケモノアゴ男」と言われたか言わされたかしてばっちり目覚めちゃってたころだ。
時代はまさに世紀末。
ナンシー関の本は連載当時にひざを叩きながらなるほど!なんて納得して読むのがさぞ楽しかったろうと思う。ただこうして時代を経て、今読み直すのも一つの正しい読み方なのかもしれないと思う。
というのも、ナンシー関があまりにも先見の明がありすぎて、書いてある内容が半ば予言じゃないかとびっくりさせられることがしばしばあるからだ。
特に本書収録の「頼むからしまっとけ、ヤワラちゃん」がすごい。
備蓄米のCM「たくわえちゃん」(当時タワラちゃんが出ていた)を見たナンシー関は、ヤワラちゃんこと田村亮子の笑顔が、「お年頃の女性」として若い異性向けられたものではなく、「自慢の孫」としておじいちゃんおばあちゃんへ向けられていることを指摘する。
そしておじいちゃんおばあちゃん人気を取り込んでいることが、「何か、ものすごくツブシが利く感じがある」のだという。
そのヤワラちゃんの様子を見て、ナンシー関はこのようなことをいうのだ。
「単なる私の予感だが、選挙出そうだし、ヤワラちゃん」
出たよ!
しかも当選しちゃったよ!
出馬しても金よ!
やはりナンシーの読みどおり、おじいちゃんおばあちゃんでツブシが利いたのだろうか。なんだかとってもそんな気がする。
と、このように結果を知っている今、ナンシー関の鋭い読みを楽しむというのもなかなか一興。
ひとつの予言書として楽しもう。
ところで本書の中で原千晶の今後がしきりに心配されているんだけど、たしかにほんと、原千晶ってどこに行っちゃったんだろうか。
追記:
今調べたら、原千晶、アロマインストラクターになってました…。
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