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奥田英朗の小説【書評一覧】 > 東京物語
年内の事務書類地獄終了!イエス!
そしてたんぽぽモールに記事が掲載された!イエス!
もうすぐクリスマス!ジーザス!
さて『東京物語』だ。ブックオフの100円文庫コーナーで見つけてやった。どんなもんだい。
恐らく奥田英朗自身をモデルにしたと思われる田村久雄の成長を描く、自伝的連作短編集。
各話は1978年、79年、81年、85年など、主人公のある1年を抜き出して描かれており、それぞれに主人公が故郷を離れ、上京し、大学に進学し、就職…といった人生の一側面が描かれている。
田舎の名古屋がいやで上京し東京で浪人することを決意し翌年ようやく大学に進学するも、家庭の事情でコピーライターとして働き始めることになり…。
そしてそうやて少しづつ東京の人間になってゆく主人公の人生の断面図が、当時のできごと、つまりジョンレノンの死やキャンディーズの解散、ベルリンの壁の崩壊などを交えながら描かれてゆく。
人生をテーマにした作品なので、決して劇的なドラマはない。
ただ、母が上京先の部屋を見にきてしきりにへえとかはあとか関心するところとか、一人暮らしという初めての自由にとまどってなんとなく街を放浪するシーンとか、誰もが共感できて、誰もがかすかに胸が震えるような場面が多かった。
またそうしたなんでもない物語の中には恋愛なんかもあって、なかなかニヤニヤできる一冊だった。
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