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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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作品名: 小さなスナック
作家名: リリー・フランキー
ジャンル: 対談集

笑:☆☆☆☆☆☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
リリー・フランキーその他の本 
【書評・あらすじ】
 リリー・フランキーとナンシー関による対談集。
 ナンシー関晩年に行われていた対談をまとめたもので、予定としてはシリーズとして数冊出されるはずだったものの、連載中のナンシー関の急逝によりこの一冊で完結している。

 対談集は書き物と違って練られた話題や笑いがないから、普段はさほど好きではない。しかしこの本は不思議と読んでいて飽きなかった。リリー・フランキーとナンシー関のコンビネーションがかなりいいからだと思う。
 話題はエッセイや消しゴム彫り(ナンシー関は消しゴムスタンプで似顔絵を彫ることで有名なのだ)など各々の仕事について、カラオケや酒など遊びについて、それから若者の「かっこいい」、涙の意味、旅etcetc、とにかく多岐にわたる。

 以前からエッセイや小説を読んで、リリー・フランキーはかなり頭がいい人だと思っていた。普段はあんな感じだけど、かなり物事を深く考えられる人だと思う。
 それでこの対談集を読んで、改めて彼の洞察眼に関心した。
 例えば携帯電話について
「人同士のコミュニケーション形態を変えてますよ。『連絡ついて当たり前』とみんなが思い始めてるから」
 若者の「ピース」について
「今流行のポジティブなものにはカオスがないんですよ。一生、言い続けていそうな強さも感じない。そういう精神性の中のカッコよさの基準は理解できない」
 泣くことについて
「ほとんど世の中の涙は、泣こうとして出る涙ですよね。やっぱり出る前に考える暇がある涙って、何らかの着地点を持ってる。自分を投影したりとか」
など。
 普段から自分を含む世界を俯瞰していないと、トークのライブである対談でこれだけ的を射た名言は出てこないと思う。

 ところで、以前からナンシー関の名前は「笑える本」近辺に出てきていて知っていたのだけど、本書のあとがきによると、リリー・フランキーはかつて「男版ナンシー関」と呼ばれていたそうだ。ということは、リリー・フランキー好きの僕にはナンシー関のエッセイもはまるってことなのかな。
 てなわけで、ナンシー関を気になる人リストに加えておく。

追記
 その後まもなくナンシー関におおはまり。
 なお、本書内で語られている「コンビニ弁当の特許」のくだりは、『信仰の現場』の取材のときの話。

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