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書評ブログの【笑える本を読もう!】

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笑える本を読もう! > 宮藤官九郎のその他の本【書評一覧】 > 木更津キャッツアイ 日本シリーズ

作品名: 木更津キャッツアイ 日本シリーズ
作家名: 宮藤官九郎
ジャンル: 脚本

笑:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆☆☆★★★
ス:☆☆☆☆☆☆★★★★
危:☆☆☆☆☆☆☆★★★
宮藤官九郎その他の本
【書評・あらすじ】
 クドカンの代表的ドラマ「木更津キャッツアイ」の映画版の脚本。
 クドカンの本、当ブログ初紹介にしてこの微妙な入り方。せめてキャッツアイ本編(※後日読みました、ニャー)からいこうぜ!
 しかしね、僕的に乗るか反るかみたいなところがあったんですよ。だからせめてシリーズ中一番短い一冊から入ろうという意図で「日本シリーズ」から読むことにしたんです。
 いや、キャッツアイが面白いのは知ってたよ。ドラマ見てたしね。クドカンも好きだし。
 ただ、この「脚本」というスタイルが自分にはまるかどうか、微妙なとこだなと思っていたのね。
 シェイクスピアなんか読んでるといつも思うんですよ。俺は今、本来の楽しみ方をしていないぞ、ってね。
 本来芝居として意図して書かれたものを本として読むってのは、たとえいくらよく書かれていたとしても、やっぱり結局舞台には勝てないわけですよね。もともとそういう風に書かれていないわけだから。
 本格志向の僕としてはね。
 っていや、うそ。今かっこつけた。しかもインタビュー風にかっこつけた。わりにかっこよくもなかった。
 ようは、
ロダリーゴ 「どこであおう?」
イアーゴー 「おれの宿舎がいい。」
ロダリーゴ 「朝はやくいくぜ。」
 みたいな文章がすっと頭に入ってこないのだ。本来なら「どこであおう?」「俺の宿舎がいい」「朝はやくいくぜ」という単なる会話なのに、いちいち頭の「ロダリーゴ」「イアーゴー」まで丁寧に読んでしまってすんなりいかない。地の文のある文章に慣れているから、すんなり読めないのだ。
 それで、なるほどこれはロダリーゴが言っていてこっちはイアーゴー、それはいいんだけどさ、じゃあさっき出てきたオフィーリアはどこに行ったの?え?オセローには出てこない?うそん?みたいなことになってしまうのだ。

 しかし結果として「木更津キャッツアイ」はよかった。一度ドラマ&映画を見ていたから「ぶっさん」と書いてあればぶっさんの顔がすっと浮かぶし、映像もすんなりイメージが浮かぶ。モー子と書いてあれば、酒井若菜の顔だって浮かぶ。浮かぶどころか、もはやモー子なのか、若菜なのか、若菜なのかモー子なのか大木なのか俺なのか…。
 そんなわけで、ドラマなり映画なりを一度でも見ていたらイメージしやすいので楽しみやすいと思う。

 いちおうあらすじ。
 時は紙幣が新札に変わる直前の2003年。余命半年を宣告された主人公ぶっさんは「こっから先はカッコつけねえで、素直にドキドキしながら死にてえ」と、バンドに恋にと精力的に生きている。そして相変わらずの木更津キャッツアイや町のメンバーたち。
 しかしそこに死んだはずの町のアイドル的浮浪者、オジーが漂着して物語りは転がり始める。
 韓国パブに氣志団、偽札事件と怪獣ゴミンゴ。
 シーン割の短さが驚異的で面白い。とんでもないテンポで繰り広げられるてんこ盛りのストーリー。
 ドラマとしてかなり手が込んだ作品だと思う。巻き戻しの手法とか、本で見ても斬新。面白いわけだ。

モー子を演じる酒井若菜が信じられないほどかわいい。それだけでも一見の価値がある。あんまり出てこないけど。ここ数年来の願望なのだが、僕は生まれ変わったら酒井若菜みたいな女子大生になりたい。一日でいいから。
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