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町田康の小説【書評一覧】 > 権現の踊り子
川端康成賞を受賞した表題作「権現の踊り子」を含む全6話が収録された短編小説集。
笑える話としては、「矢細君のストーン」「工夫の減さん」「権現の踊り子」あたりがよかった。
いずれも最低の、それは生活水準と人間性、二つの意味で最底辺の人たちが織り成す物語ばかりだった。
町田康はエッセイ集『つるつるの壷』の中で、若かりし日に町で見た「時代や文化に取り残された残骸のような人達」を「忘れえぬ光景」だと語っている。
この人のルーツにはそんなふうに、いわゆる文化的なことから脱落してしまった人たちの姿があるのだと思う。
最底辺の町、最底辺の住宅、主人公はそんな「灰色の町の悲しい人間」。
あるとき主人公はそこの管理人になぜか棲みついている誰か知らないおばはんからそそのかされ、権現市に剃刀を求めて向かうことになる。
しかし訪れたその権現で、どういうわけか主人公は「最先端流行野郎」と見込まれしまうのだった。
さて、どうなることやら。
町田康を読むときはある程度の覚悟が必要だと思う。
つまりそれは、面白い話は面白いが、分からない話はまったくわけが分からない、という覚悟だ。
こと、この短編集はその「町田康らしさ」が顕著だった気がする。
けっこう頑張って読んだぜ、ガッツでさあ。
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