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西原理恵子のエッセイ【書評一覧】 > サイバラ式
現在アニメで放送中の『毎日かあさん』を描いている漫画家、西原理恵子の自伝的エッセイ。
とはいえ文は半対談(というよりは友人同士の会話)のかたちをとっている上、文章は銀玉親方(ギャンブルライターの山崎一夫という人)が書いている。
西原は本の4分の1ほどを占めるマンガを寄稿。このマンガについては、「毎日~」的ギャグだけでなく、キュンと切ない話しも収録されていて、良い。
この人については、『毎日かあさん』を見て以来いまどき珍しく面白いアニメをやっとるなと思って気になっていたのだが、同時に清水義範の「おもしろくても理科」シリーズや中島らもの「明るい悩み相談室」、そして最近気になっているエッセイスト、ゲッツ板谷の本にイラストを寄せていることでその名を覚えていた。
なお、ゲッツ板谷とは予備校時代から「金角」「ねえさん」と呼び合う仲なのだそうだ。
「金角」の名は本の中でも友人として普通に何度も出てきていたので、解説で「ゲッツ板谷(金角)」というクレジットを見たときは、この人のことだったのかとびっくらこいた。
女子高に通うも退学になり、大検を取得して美術系の予備校、のちに美大に進学。また、予備校に行った時点から自分のイラストを出版社に飛び込みで売り込んだり、友達を人体実験に売るといった過酷な(?!)アルバイトをこなしながらも、大学を中退したら自分は中卒だという覚悟のもと美大を必死の思いで卒業する。
以上のようにかなりの苦労人で、この本の中では「貧乏してると友達ってできないのよ」などの名言を吐いている。
本自体はページ数もさほど多くなく、また4分の1はマンガなので、こ一時間もあればさくっと読めてしまうが、内容はある意味濃い。西原の歯に衣着せぬ語りっぷりが痛快な一冊。
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